ボルドーのリップ ページ17
［Aside］
「違います。
私じゃありません」
「いや、これあなたでしょ(笑)
あなたが出入りするの、こっちは何回も押さえてるんですよ(笑)」
そんなん言うけど…
１枚だけ、違うもん……
「ほんとに。
私じゃありません」
写真を突き返した。
「じゃあ、相手の方に確認してもいいですかー？」
立ち去ろうとする私に、追い打ちをかける。
立ち止まりかけたけど、一直線に出口に向かった。
ちょうど待機してたタクシーが、後部座席の扉を開ける。
そのタクシーに吸い込まれるように乗り込んだ。
「どちらまで？」
「あの…出してください(汗)」
それだけ言うのが精一杯で。
タクシーがゆっくり動き出した時、視界の端にさっきの記者がこっちを見てるのがわかった。
ホテルのロータリーを抜けて、一般道路へ差し掛かる時、
「どちらまで？」
もっかい、運転手に聞かれる。
後ろを振り返ると、車も人もついてくる様子はない。
「あの、アクロヒルズってアパートに。
住所は…」
運転手に告げると、スムーズに車両の列に紛れ込んだ。
ホテルが遠ざかっていく。
タクシーは高いから、駅まで歩くつもりやったけど仕方ない。
そう、仕方ない……
「……」
さっきの記者が脳裏に浮かぶ。
不自然さが全くないくらい自然やった。
しばらく張り込んでたって、いつからやろ。
お付き合いされてますよね、って、あんなはっきり言うてくるんや(汗)
「……(汗)」
どうしよ。
ヨシ君に電話…
「降ってきますかねぇ」
携帯を取り出そうとした時、不意に運転手さんから話しかけられて、ビクッてなった。
「え？え？(汗)」
「ほら、曇ってきたから」
運転手さんは空を指さす。
「あ、ああ…(汗)」
急に話しかけられて、1人じゃない事に気づいた。
誰かがおるとこで、電話は…(汗)
この運転手さんは何の関係もないってわかってる。
けど、さっきの記者も、まるっきし普通の人やったし、さりげない喋り方やった。
関係ない人まで疑ってしまう(汗)
まさか、アパートも……(汗)
そう思うと、急に怖くなってきた。
自分はどこで誰に見られてるんやろう(汗)
ヨシ君のマンション張り込むくらいやから、私のアパートも知られてるかも……
見せられた写真も私やったけど…
「……」
1枚だけ。
1枚だけ私じゃなかった。
あの1枚は…
ヨシ君が酔った役者さんと入ってった…
ボルドーのリップのあの人やった。
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ゆんゆん(プロフ) - はるまきさん» ありがとうございます！アキレス腱断裂しちゃって、不自由な暮らしをしてます(^^; 時間見つけて書いていきます！楽しみにしててください！(^^) (2019年1月17日 15時) (
レス) id: 88a66a894a (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - ゆんゆんさん、体調は大丈夫なのでしょうか？まだまだ寒いのでお身体気をつけてくださいね。ゆんゆんさんの書かれる作品大好きです(///∇///)これからも頑張ってくださいね (2019年1月17日 14時) (レス) id: 50b884f687 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - はるまきさん» ありがとうございます！イッツマイソウル、長くお休みしてごめんなさい(^^; 思いつくお話から書いているので、お留守になってしまってます(>人<;) 最近、体調も崩してしまって、思うように動けませんでした。コメ、励みになります！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月13日 23時) (レス) id: a187088f91 (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - こんにちは。ゆんゆんさんの作品いつも楽しく読ませて頂いてます。久々にイッツマイを最初から一気に読み通してしまいました。早く次の展開が気になって(///∇///)主人公の気持ち、大倉くんの今後、どうなっていくのか心配です。次も楽しみにしてるので頑張ってください (2019年1月13日 6時) (レス) id: 50b884f687 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 諷莉さん» ありがとうございます(*^-^*) (2018年10月16日 16時) (レス) id: 10948c2605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆんゆん
| 作成日時：2016年1月9日 0時
