3 ページ3
.
『ほぇ？』
「今日のサバは、脂がのってて とっても美味しいですよ」
いつもと変わらない 山田のやさしい声に
……山田、俺に愛想尽かしたんじゃないの？
ちょっぴり泣きそうになっていると、
「え〜？サバの味噌煮とか、年寄りくさくな〜い？」
「いやいや、サバって…」
感動をぶち壊す 女子の声。
「お兄さん、さすがにそれは無いですよぉ〜。うちらまだ、20代なんですけどぉ〜」
ギャハハハ、と 山田をおちょくる言葉に、
「え？あ、ごめんなさい…」
山田の にこにこ笑顔が 苦笑いに変わってしまい、
――今日の夜ご飯は、伊野尾ちゃんの大好きな サバの味噌煮でーす♡
――やったぁ♡♡やまだ、だぁーいすき♡♡
しな、と垂れ下がってしまった山田の口角に 頭に血が上った俺は、
『サバの味噌煮、食べるっ！！一緒に白米も！！！』
女子共の声を遮るよう、大きな声で叫んでやった。
「白米は大盛りですか？」
『もちろんっ！！』
「あ、メニューには載ってないんですが、トマトスライスも…『３人前お願いしますっ！！！』
.
.
『ん〜♡うま♡♡』
瞳の前に並ぶ ごちそうに、ルンルンな俺。
「いのーくん、ほっぺたリスみたいで可愛い〜♡」
「いのーくん、可愛い顔してジジくさいの ギャップ萌え♡」
そんなルンルン気分に水を差すかのよう、女子共がディスり交じりに やいやい言ってくるが、
……あ。この生姜の切り方、山田だぁ♡このサバの味噌煮、山田が作ってくれたんだぁ♡
山田の愛がつまったご飯が美味しすぎて、しあわせすぎて、まったく気にならない。
……合コンが終わったら、山田に謝ろう。ちゃんと説明して、許してもらおう。
山田からの愛、そして 山田への愛を再確認しながら
サバの味噌煮→ごはん→トマトスライス→サバの味噌煮
の無限ループを楽しんでいると
女子共の話の方向が 少しづつ変わっていき、
「ってかさ、さっきから イケメン店員さんしか このテーブルに来てなくない？」
「それ私も思ったぁ！オーダーも配膳も あの人だよね！？」
「……もしかして、うちらの中の誰か狙ってるとか？」
『は』
自意識過剰なクソ女子共の言葉に
俺は 怒りに震えた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
本田(プロフ) - けーままさん» ( ´∀｀ )b (6月12日 19時) (
レス) id: 75acadb94f (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - 母乳は搾乳して、冷凍ができるので、クール便待ってます！！ (6月12日 18時) (レス) id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
本田(プロフ) - けーままさん» ありがとうございます( ´∀`)こんなオチで満足いただけたかどうか謎で仕方ありませんが、本田は大満足ですので、本田も やまださんのお乳を飲みに ちょっくら行ってきます( *´艸) (6月12日 18時) (レス) id: 75acadb94f (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - まさかの理由！！これは私も思いつきませんでした…‼️さすが本田さん❗ (6月12日 18時) (レス) @page22 id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：本田
| 作成日時：2022年12月27日 17時
