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始まった過ちは止めることはできない
A「昌行っ♪ 待った？」
Aのこの言葉、何度目だろう
"いや、今来たところだよ"
俺のこのセリフも何度言ったか分からない
ほんとは20分前から来てたけど
そんなことどうだっていい
今日はAに会える日だから
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俺たちはあれから何度も枕を交わしたけれど
一夜を過ごしたことは無い
A「じゃあそろそろ帰るね…」
日付が変わる頃、彼女は必ずそう言って
俺のもとから離れていく
何度体を重ねても壊せない現実
Aには旦那と家があって
彼女はそこに帰らなければいけない
"もうちょっと、もうちょっとだけ……"
そう言ってAを抱きしめても
彼女から返ってくる言葉を
俺はもう知っている
A「昌行、愛してる
……………………嘘じゃないよ」
何度も聞いたこのセリフ
別れ際、俺がAを求めると
必ず言うこのセリフ
それなのにAに愛してると言われるだけで
まるで言葉の魔法にかかったかのように
甘く優しくて切ない気分になる
そしてAがいなくなると
その甘さは痛みになる
彼女を奪いたい欲望に駆られ
この許されない愛に揺れる
どれくらい罪を背負う覚悟があれば
この愛は許されるんだろう
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作成日時：2016年5月5日 20時
