【沖田総悟】真選組の美男美女カップル観察日記２

79日目 ページ40

No side


ついに明日に迫った2月14日。世の中はバレンタインデーで、男性あればどんな人間でも浮かれまくる日である。



彼女持ちでもらえることが確定している沖田と、顔の良さから一般の女性から毎年チョコが届く土方を除き、前日にも関わらず、男どもはそわそわしていた。ここ一週間ほど特に問題も起こさず、真面目に仕事をしていた隊士たちがこそこそと話し出す。



「・・・今年ももらえると思うか？」

「？何の話ですか？」


反応したのは、去年入隊したばかりの新人だ。つまり、彼はまだ真選組の希望をしらない。


「聞いて喜べ。明日は、今まで剣術一筋で生きてきた俺達には無縁のイベントだったはずのバレンタインデーだ」


事実を言われ過去の記憶を蘇らせる新人君の顔は死んだ。頭の中でスン・・・と表情筋が辞表を出してきた。


「まあまあ、そう気を落とすな。今年からはそんな記憶を思い出さなくなるぜ！」

「なんといっても、ここには一ノ瀬さんがいるんだからな！！」

「えっ！？で、でも、一ノ瀬副隊長は沖田隊長と・・・？」

「流石に沖田さんのチョコと比べたら別物だが、毎年俺達にも配ってくださるんだよ！」


そう言いながら先輩隊士たちは、上をみて拝む。きっと全員の目には女神のような一ノ瀬が映っているのだろう。希望に満ち溢れた先輩たちを見て新人君も顔を明るくする。





「我々の未来(明日)は明るいぞ！！！」




小声を忘れた所為で副長に怒鳴られる面々だったが、顔が幸せそうで、副長の方が引く羽目になった、とだけ伝えておこう。

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