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「でですね、その時尾崎せんせいが──」
もう小一時間だろうか？ もはや恒例となっている僕と彼女、伊吹さんとの交流はおおよそ雑談と成り果てている。
お陰で「ロイ最近話すね」と言われる始末だ。
というか僕はそんなに話さないイメージなのか。
「もう時間だよ。帰らないと」
ちらりと時計に目を向けるともう夕刻。すっかり日が落ちるのも早くなったのだから帰さないと親御さんに心配をかける。
「あ、もうそんな時間ですか？ 私帰りますね！ 」
「毎回のごとく静かにしろって言われないと気づかないね」
そう言うと彼女はへらりと笑った。反省しているのかしていないのか……全くだ。
「またね、暫く来なくてもいいよ」
「え、酷い！ ──さすがに嘘ですよね？ 」
どうだろうと肩をすくめると彼女は焦った。少し面白い。
ちなみにさっきの発言はグレイの受け売り。
君がここに来れるまで、新しい仲間と場所を見つけるまで少しのお手伝いを。
自分でも何故ここまでできるのか、彼女は僕と接しているのかも分からないけれども。
その理由が見つかる時まで、放課後の君を待ち続けてみようと思う。
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