付き合ってないです【時透無一郎】

拾 ページ11

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無一郎くんの屋敷について一段落し
お風呂やらなんやら済ませようと思った

でもあることを聞きたかった









「無一郎くん」


無「なに？」









私が寝る用の布団を準備している無一郎くん

一旦手を止めてこちらに視線を向けた










「私たちって恋仲でも

なんでもない関係だよね」



無「…それがどうしたの？」









私の質問に対してきょとんとしているが
ちょっとしょんぼりしたような表情でもある









「布団近くない？」









"え？そう？"と言う無一郎くん


否、かなり近いです

だって布団完全にくっついてるし
布団の上に更に乗っけて近くなってるし









無「こんなもんだよ」


「だーめー！」









無一郎くんを退かして布団を30糎(ｾﾝﾁ)くらい離す









「恋仲になりたい相手くらいいるでしょ？

無一郎くんはその人するの！」








すると無一郎くんはニヤニヤと笑い出した








無「いるよ、好きな人」


「…へ？いるの？」









その言葉に胸がズキっとした

てっきりいないと思っていたので
"好きな人がいる"という返答は予想外だ


針で刺されたような感覚









無「でもまだ言わない」



「応援するから教えてよ」



無「やだ」









"応援するから"なんて嘘をついたが
ほんとは応援なんてしたくない

でも無一郎くんには幸せになってほしい


なんだろう、この気持ち









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