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紫耀に背を向けて
零れた雫はぐっと拭って
向かう場所はただひとつでした
ポケットからスマホを取り出して
電話をかけます
聞きなれたコール音が9回なった後
「もしもし？」
電話越しだからか
聞きなれた声よりは少しだけ低い声が聞こえてきました
『ねえっ、今どこにいる？』
「えっ、今？家の近くのコンビニやけど」
『…わかった！そこから動かないでね』
「急やな。わかったけど、」
そこまで聞くと電話を切りました
駅前の人混みを掻き分けて
急ぎ足で歩いて
人が少ない場所に出ると
だんだん足は早くなって
ダッシュで廉くんの元までむかいます
道沿いにある公園にも
ぽつんと佇む自動販売機にも
すこし錆びてきた歩道橋にも
流れる景色の一つ一つに
廉くんとの思い出がありました
『っはぁ、はあっ』
早く、早く早く早く
廉くんに伝えたくて
走り出してから8分くらいが経った後
『廉くんっ！！』
律儀にコンビニの前で待ってくれている
廉くんを見つけて叫ぶと
同時に何かが弾けたみたいに
目からボロボロと雫が溢れました
嗚呼、駄目だなあ
上手く伝えられそうにないけれど
貴方に会いたくて仕方なかった
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グラタン(プロフ) - マフィンさん» ありがとうございます！更新が滞ってしまうこともありますが、必ず完結させるので楽しみにして頂けると嬉しいです( ^^ ) (2019年6月19日 23時) (
レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
マフィン - 本当にこのお話大好きです！切なくて面白くて毎回更新楽しみにしてます！ (2019年6月18日 1時) (レス) id: 7378743b27 (このIDを非表示/違反報告)
グラタン(プロフ) - 0519namiさん» ありがとうございます〜(；；)とても励みになります！頑張りますね！！ (2019年5月17日 21時) (レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
0519nami(プロフ) - 凄く面白いです！廉くんの優しさにキュンキュンしてます続きのお話も楽しみにしてますので更新頑張って下さい！ (2019年5月17日 12時) (レス) id: 50354e6784 (このIDを非表示/違反報告)
グラタン(プロフ) - ひかるさん» すみません、ご指摘ありがとうございます。自分でも気づかず…直させて頂きます。ありがとうございます！ (2019年5月16日 22時) (レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グラタン | 作成日時：2019年5月5日 21時
