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「…言い訳はするつもり無いよ」
「…ほんとに、ごめんな」
目から流れる雫のせいで滲む視界の中でも
今にも泣きだしてしまいそうな、
そんな紫耀の顔が脳裏に焼き付きました
ただ涙を流す私を見て
彼は荷物も持たずに部屋から出ていきます
割れた花瓶と、彼の荷物だけが
部屋の中で異彩を放っていました
1人の部屋はやけに静まりかえって
私が鼻を啜る音と
夜独特の虫の音だけが響いています
夜風が吹くと、カーテンが舞って
明るい月が煌々と輝いているのが見えました
それと同時に、頭に浮かんできたのは
“Aが辛かったらすぐ駆けつけるし
俺はいつでも、Aの味方でおるから ”
いつだったかの、彼の言葉でした
気づくと、私は彼に電話をかけていて
嫌というほど静まり返った部屋に
焦った廉くんの声が響くのは
それから、5分後のことでした
大きな足音と、わたしを呼ぶ声に
床に座り込んだ私は上を見上げました
「…A、どうしたん」
きっとまだ、それほど家の遠くまで行っていなかった彼は走って来てくれたのでしょう
額には、少しの汗が滲んでいました
『ご、ごめんねっ、わたしっ、紫耀に…』
涙と嗚咽のせいで上手く話せないわたしを見て
「もう、ええから」
小さい子をあやす様に一定のリズムで背中を叩きながら、抱きしめてくれる彼は
少しの汗の匂いと一緒に
ふわりとキンモクセイの香りを運んできて
秋の訪れを、私に知らせているようでした
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グラタン(プロフ) - マフィンさん» ありがとうございます！更新が滞ってしまうこともありますが、必ず完結させるので楽しみにして頂けると嬉しいです( ^^ ) (2019年6月19日 23時) (
レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
マフィン - 本当にこのお話大好きです！切なくて面白くて毎回更新楽しみにしてます！ (2019年6月18日 1時) (レス) id: 7378743b27 (このIDを非表示/違反報告)
グラタン(プロフ) - 0519namiさん» ありがとうございます〜(；；)とても励みになります！頑張りますね！！ (2019年5月17日 21時) (レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
0519nami(プロフ) - 凄く面白いです！廉くんの優しさにキュンキュンしてます続きのお話も楽しみにしてますので更新頑張って下さい！ (2019年5月17日 12時) (レス) id: 50354e6784 (このIDを非表示/違反報告)
グラタン(プロフ) - ひかるさん» すみません、ご指摘ありがとうございます。自分でも気づかず…直させて頂きます。ありがとうございます！ (2019年5月16日 22時) (レス) id: a0aacf55ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グラタン | 作成日時：2019年5月5日 21時
