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第二十五話 ページ26

Aside









不「出たぜ」









実弥が、お風呂から上がった









お風呂上がりの濡れた実弥を見るのは、とても久しぶりだった









『ねぇ、見て。今日は満月だよ』









夜空に光る満月を指さす









不「……あァ、そうだなァ……」









実弥は私の隣に座った









昼間、師範と話してた様に縁側に二人で座って









少し無言の時間が続く









『……あのね、私が初めて任務に出た時、実弥と合同任務だったの、覚えてる?』









不「…あァ、覚えてる。お前が霧の中迷って、泣き崩れてたのを俺が見つけたんだったなァ」









実弥は思い出す様に宙を見上げて言った









『うん。私、その時凄く嬉しかった。実弥、あの時…私の所へ来てくれてありがとう』









私がそう言うと、実弥は、グッと私の手を引いた









唇に実弥の唇が当たる









もう、接吻だって何ヶ月ぶりだ









不「…お前を抱くのは、今日で最後だ」









実弥はそう言って私を姫抱きにして布団に下ろした









実弥が私に覆い被さる









最後だと実感させる程深く、口付けをした









『……実弥、好きだよ……』









実弥がその言葉に応えることはなく、


私は実弥に抱かれた









…………









目を覚ますと既に、実弥は服を着始めていて









私も近くに放り出されていた服を着る









不「…これでもう、終わりだァ。お前の帰る場所は、此処じゃねぇ。さよならだ」









実弥は静かに、暗い声でそう言った









不「……苦しめて、ごめんなァ……」









実弥は最後に優しく口付けをして、部屋を出た









一人部屋に取り残された私の頬に久しぶりに涙が伝う









『……ははっ……』









自虐に笑う









心にポッカリ穴が空いて









抜けた人の名前を、ただ私は、口にした









戻って来ない、その人の名を









『……実弥ッ……』









止まる事を知らずに流れた涙を、拭ってくれる人はいなかった

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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
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ゆいな(プロフ) - もう読み始めた途端、あぁぁぁ!!!なんだこの設定ーーー!!好きぃ!!ってなりました笑すごくおもしろいです! (2020年5月25日 2時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
風花(プロフ) - 華恋さん» コメントありがとうございます!暇の極み←ドヤ((第二章もよろしくお願いします! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 683ea77874 (このIDを非表示/違反報告)
風花(プロフ) - ???さん» コメントありがとうございます!第二章もよろしくお願いします! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 683ea77874 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - すごく好みのお話で更新スピードも早く楽しませて頂いてます!!!こういうお話中々ないのでご自身のペースで頑張ってください!宇髄さんも不死川さんも大好きなのでオチも楽しみにしてます! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 1bb3c1ea3d (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 第一章完走おめでとうございます!楽しみに待っていますね!頑張って下さい!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 27c6fb6a03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風花 | 作成日時:2020年3月9日 17時

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