浮気症

第十一話 ページ12

Aside









あの後、私は任務の時間だから、と言ってその場を離れた









本当は任務なんて無くって
胸張って彼女だと言えない自分が嫌で









その場から逃げたかっただけなんだ









『……はぁ……』









溜息をついて時透邸に向かう









？｢どーした、溜息なんかついて｣









『宇髄さん！！お久しぶりです！！』









振り返るとそこには、宇髄さんが立っていた









宇｢よっ、久しぶりだな。元気にしてたか？｣









『…はい！いつも通り元気です！』









宇｢へいへい、嘘つかなくていーから。｣









宇髄さんは私の頭にポンと手をおいた









『……嘘じゃないです』









宇｢餓鬼がいっちょ前に嘘つくなや、顔に書いてあるぜ？嘘ですってな｣









宇髄さんが私の頬をつねる









『……はは、元気になんて、なれると思います？』









彼の前では、昔からどうしても嘘をつく事は出来なかった









嘘をついたところで、今回の様に見破られる









宇｢思わねぇな。……ったく、嫌なら別れりゃいーのによ。何でまだ付き合ってんだ？｣









宇髄さんは溜息をつきながら頭をかく









『…なんででしょうね。自分でもよくわかりません。……でも、不思議な事に、

浮気をされても、

嫌われたとしても、

酷い事されたとしても、



どうしようもなく、好きなんです。』









本当に、昔っからその気持ちだけは変わらない









宇｢……はァ、お前も馬鹿だよなぁ｣









『はは、わかってますよ。とっくの昔から。実弥の事を、嫌いになれないんです。本当に好きだから。





でも』









宇｢好きだから、辛い。だろ？｣









宇髄さんは私の言おうとした言葉をドンピシャで当てた









宇｢お前、あんま無理すんなよ。何なら俺の嫁にしてやってもいいんだぜ？｣









『ふふっ、心配してくれてありがとうございます。』









宇｢しれっとプロポーズ無視すんなや｣









『嫁三人もいるなら充分じゃないですか』









宇髄さんは、｢苦しくなったらいつでも来いよ｣
と私の肩をポン、と叩いて歩いていった






色んな人に心配かけて……



私ってホント馬鹿だなぁ、

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