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『ねぇ、ねぇ、仕事終わったらご飯作ってよ。久しぶりに君のアップルパイが食べたいなぁ』
そう言ってガサガサと袋を揺らす。
こいつは長期で帰った時は大体はアップルパイを作らされる。アイスも乗せないと拗ねるのが面倒な所だった。
こいつがまた、こうして帰って来るようになったのは俺が嘘をついたあとの事だった。
それから2週間経っても帰ってこないそいつに爆豪は苛立っていた。そのストレスをヴィランにぶつけては大暴れしていた。
｢クソが！あんのっ！クソ野郎！｣
テレビでも｢誰に苛立っているのでしょうか｣というアナウンサーの声に爆豪に問い質そうとする人まで居たほどだ。
爆豪はそんなことをお構い無しに苛立ち、本当に女でも作ってやろう。と思った。恋人はすぐに出来た。
｢勝己さんの手料理が食べられるなんて、光栄です。｣
行儀もいい、顔もいい、胸もある、その上謙虚な女だった。どっかの誰かさんのよう隠したりもしない。
料理を作って出してやる。それが出来ることを幸せにすら思えばいい、そう思ったのに
｢わぁ、凄いですね。チーズフォンデュですね！｣
｢･･･お、ぅ｣
爆豪自身が驚いていた。
あいつが
『冬はやっぱりチーズフォンデュでしょ〜、次作ってよ！食べたいなぁ。』
言っていた物だった。無意識に作っている時にも
『パンと、ブロッコリーとあと、あと･･･』
興奮気味に話したもの全てが皿に乗っていて、量もあいつが、食べる馬鹿みてぇな量だ。
彼女はパンを取って付ける。口に運ぶと｢美味しいです！｣なんて言う。それが当たり前なのに俺の中では違っていた。
多分、あいつならって思っている自分が片隅にいる。目の前の恋人は少し食べただけでお腹を脹らす。可愛い事だろ。
(クソっ、あいつの言ったことも当たってる。)
『君の彼女はきっと少食で、とても可愛い子だと思ってるんだ。どう？あってるかな？』
｢誰が教えるかよ！｣
『あははっ、そう来るよね。君はヤケになって恋人を作ったら失敗しそうだけど、違うみたいで安心したよ〜。』
失敗、している。この女は俺の名前と、金が欲しいのは告白をされた時に分かっていた。
全部言ったあいつの通りでムカつくほど俺を理解している。飯を馬鹿みてぇに食う奴が目の前にいないこと、騒がしいのがいないこと。
｢･･･このマンション、俺が買ったわけじゃねぇよ。こんなものを買える大金持ってるわけねーだろ｣
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
