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爆豪は最後の品を作り終えると千人を連れて外に出た。
『出たかったけどー』
ご飯が冷めることを気にし、何度も振り返って部屋のある階を見つめる。
爆豪はサングラスをかけ直してそんな千人の頭をぐるりと前へと向けると近くの和菓子屋に入った途端、千人はガラスケース子どものように張り付く。
隣に同じ様に張り付く女の子が千人と目を合わせる。
｢おねーちゃんきれいー｣
『ほんと？ありがとー、ここの和菓子屋美味しいよねー』
｢うん！ママがいつもこれかってくれるの！｣
豆大福。ここの看板メニューで千人も時々食べていた物だ。千人は爆豪を見上げると指を3本立てる。
｢おねーちゃんはなんでおかおにけがしてるの？｣
『んー遊びすぎちゃんたんだー。君は1人かな？』
｢うん。おつかいー！｣
『いいねぇ、勝己はお使いした事ある？』
｢あ？｣
突然話を振られ、豆大福を受け取ろうとした手が空をきる。店員からしっかりそれを受け取るとしゃがんで、女の子と目線を合わせる。
首を傾げる女の子に爆豪はやる、と豆大福の入った袋を渡すと目を輝かせる。店の前に置かれた椅子に3人で腰掛ける。
｢ありがとー！おにいちゃん！｣
｢おう。ゆっくり食え、｣
『君は食べないの？』
｢食うわ｣
女の子は食べながら横にいる二人をじっと見つめる。それに気づいた千人は女の子の口周りの粉を拭いながらどうしたの？と聞く。
｢おにいちゃんとおねーちゃんはこいびとどうし？｣
『そうだねー恋人同士だよ？』
｢そこ、疑問符付けんな｣
爆豪は数口で食べると立ち上がり、時間を見る。
｢そろそろ行くか。｣
『分かった。じゃーね、お使い頑張れー』
｢うん！おねーちゃんもがんばってね！｣
『ははっありがとー』
何に対しての頑張ってなのか、爆豪は突っ込まずマンション兼ビルへと戻る。
『？』
エレベーターを待っていると爆豪は千人の手を握った。千人は何も言わない爆豪に違和感を感じながら黙って握り返す。
ロビーの静けさに口を開いたのは千人だ。
『どしたー？』
｢なにがだ｣
『君にしては意外なことするから、何も言わないし』
｢･･････てめぇは、今、幸せか？｣
千人の視線が前から爆豪へと移る。
エレベーターが着き、乗り込む。
『幸せだよ。今までにない程に』
｢そうか、それならいいわ｣
手を離すとエレベーターを降りる。
扉の前に来ると爆豪は触れるだけの優しいキスを頬に落とした。
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
