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水の中は深く、そこは暗いのに上を見ればきらきらと何よりも綺麗で幻想的だ。視界の端に黒い水が見える。自分の血だ。
深く、深く落ちていく。
こんなに疲れたのはいつぶりだろうか？寝たら元に戻るかな。
(勝己、泣いてないかな？)
ゆっくりと目を閉じ用とした私に黒い何かが手を掴み、引き上げられる。
｢おい！生きてんのか！｣
『･･･勝己、』
目の前にある爆豪の顔に千人の頬が緩む。
なんだ、寝なくても元に戻る。
『勝己、怪我はない？痛いところは？』
｢あ！テメェの方が重症だろうが！｣
『ははっ、そうかもね。お腹結構空いたからねー･･･運んでほしいなぁ、』
お腹を抑える手に爆豪の手が添えられ、生温い血が爆豪の手を染める。
蛙吹と瀬呂により引き上げられ、応急としてカイの治癒が施される。
『カイ、悪いね･･･』
｢いい、俺はあんたの右腕なんだ。気にするな。｣
応急処置の治癒により出血、欠損した臓器が修復され、ヘリが来るまでの時間を皆が千人を囲うように見守る。
『上に言っといて、これで仕事は辞めるって･･･契約はとっくに切れてるからーって』
｢ああ、分かった。ライト、じゃないな名前を聞いてもいいか？｣
『千人A、これが本当の名前で姿だよ。それと･･･彼が私の大切な人だよ。』
覇気のない声でも笑う。
カイは爆豪を一瞥し、頷く。お互いにそれ以上の言葉はなく、カイは隊を連れてその場から消えた。
生き残ったプロヒーロー達は未だ残っているかもしれない人の救助にあたり、爆豪と千人を知るクラスメイト達がその場に残った。
『はは、』
｢んだよ、気持ちわりーな｣
『いや、私の話をしようと思ってね。』
天を仰ぐように手を伸ばすとその手はふらふらと爆豪の手に触れる。
血色の悪い顔が、瞳がゆっくりと閉じられクラスメイト達は爆豪と二人にしようとその場を静かに離れる。
『私は生まれてすぐに養子に出されたんだ、理由は分からないけどね。それから老夫婦に引き取られて6歳で二人とも亡くなって･･･それから、』
｢･･･｣
『半年くらいかな、個性｢判決｣が出てからは政府のアメリカのお偉いさんに引き取られたんだ、学校とか行かずにずっと戦闘と必要最低限の知識と脳の操作を叩き込まれて15歳で今の私ができたんだ。その頃には人との距離を感じたよ、』
爆豪を虚ろな目で見ると続けた。
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
