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爆豪勝己は目の前の惨劇に動けずにいた。
山のような瓦礫と火の海そして見るも無残な人の姿、血塗れになっても戦い続ける者の姿、巨大に膨れ上がらせた個性が人を虫のように容易く叩く度に嘲笑する敵の姿。
プロヒーローでも歯が立たない。膝から崩れ、目の前の現状を飲み込めるわけがなかった。
10分前
プロヒーローが数名行方不明という事件がここ１ヶ月の内に何件も多発していた。
幸いにも高校時代のクラスメイト達は誰一人として危害は出ておらず、この事態にプロヒーロー達が集まっていた。
｢こんな昼時にすまない。｣
警察の代表らしき人が挨拶をする。
爆豪は無理矢理付いてきたリーを睨みつける。
千人が居なくなって4年、もうすぐで5年が経とうとしていた。ここ半年も連絡を取っていない。
警察が現状説明を始める。
何百と集められたプロヒーローの中には爆豪の見知った顔が幾人も並んでいる。
｢おい、テメェはーー｣
｢！、なにか来る！｣
｢！｣
リーの声に全員が構え、リーの向くほうを見る。
空気のみが張り詰め、冗談か、そう言おうにもリーの顔は見たことがないほど強ばっている。
ガシャアアン！！
窓を突き破り、飛んできたのは人だ。
全員、それに気を取られたのが仇になった。気がつけば建物ごと吹き飛び、目の前が真っ白になっていた。
そうして気づけば今の現状に落ちていた。
｢っ、爆心地！｣
｢！｣
見知らぬヒーローの声に現実に戻される。
｢っ、クソが！｣
デクの姿が見える。ほぼ互角、いやあいつは死ぬ。
爆豪は構え、ニトロを溜める。
どれほどの個性を奪えばああなるのか、醜く人間の姿を成していない敵に構えた。
｢どけ！デク！！｣
｢かっちゃん！｣
｢っ！う゛っ！｣
気がつけば敵に吹き飛ばされていた。
大きな物音とムカつくデクの顔が見える。
テレビで見たカイと呼ばれる男が寄ってくる。
｢大丈夫か。すぐに治す。｣
個性を使い爆豪の折れた腕を治癒する。
｢プロヒーロー爆心地、会えたのはとても光栄だ。ゆっくりと話したいとこだが今はできない･･･ヒーローデクを連れてここから離れろ。｣
｢あ゛？指図ーー｣
｢君達では歯が立ってないだろ。頼む、民間人の救助を、俺達はその援護に回る。｣
爆豪は今の現状からそれが一番安全で確実だと分かった。だからこそ、治った腕を掴み、デクを睨む。
｢足引っ張んじゃねぇぞ！右腕だろ！｣
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
