○３５ ページ35
｢リー久しぶりだな！ワリーな朝から｣
｢久しぶり。良いわよあの方も怒らないでしょうし｣
｢それ、あの人が怒れば怒るってことか･･･？｣
人の許可無く入れるリー。
爆豪の額がピキピキと音が鳴りそうなほど皺が寄るのを切島が落ち着け、と宥めて来る。
おおよそ１ヶ月ぶりの切島は爆豪とリーを交互に見るとにっと歯を見せて相変わらずだな、と笑う。
｢爆豪、もしかしてさっきの･･･｣
｢あいつだ｣
｢！、どうだった！？帰ってくるって！？｣
切島が質問攻めをするのも仕方が無い。
爆豪の恋の相談をされた日からずっと応援していた。それなのにその相手が帰ってくるかも分からず、連絡も取れていなかったのだ。
つい下で見かけた時の爆豪の嬉しさを滲ませた表情に、そういう事に疎い切島でも察せた。
｢いつ帰るとかは言ってねーよただ、｣
｢ただ？｣
｢早く終わらせるだとよ、そういう事だ。｣
｢そっか！早く帰ってくるといいな。｣
爆豪の肩を軽く叩き、自分の事のように喜ぶ切島。
リーは二人の会話に思わずそっぽを向く。それに気づいたのは切島で、どうした？と声をかける。
｢私のことを忘れないでくれる？｣
｢悪い。リーの気持ちを知ってるけど、やっぱり爆豪のことを応援してーんだ。ごめん！｣
｢別にっ、･･･ていうか、案外この人って一途よね。｣
｢あ゛！？案外ってなんだ！｣
｢そのままよ。離れてるのにずーっと好きなんて、一途もいいとこよ。こんなに美人が横にいるのにありえないわ、｣
ふんっと唇を尖らせるリー。最初に比べ、遠慮もなければ慎みもなくなっている。
｢で、なんで来た？｣
｢いやーほら、2年丁度くらいだろ？大丈夫かなーってよ。｣
｢･･･｣
爆豪が弱いから、という理由ではないことは分かっているからこそその優しさにむず痒い気持ちになる。
爆豪は朝ご飯の用意にかかる。業務用の冷蔵庫は今ではただただデカい置物のように感じ、開ければ材料が小さく、少なく見える。
鍵も同様に今では使われていない。お腹が空いたと冷蔵庫の中を空っぽにする奴は今はいない。
(あいつ、メシ食ってんのか？)
電話越しに聞こえた銃声やら叫び声やらを思い出す。
｢おい、リー｣
｢なに？｣
｢･･･お前の上司にあいつはメシ食ってんのかって聞けや｣
はぁ？と訝しげに眉を寄せる。
爆豪はそれ以上口を開かず、手だけを動かす。
ご飯を作りながら次の電話はいつなのかそれを考えた。
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
