○３２ ページ32
『チッ･･･カイ！右へ！』
｢ああ！｣
戦場は酷い。
人の焼ける臭いと火薬の臭い、時々漂うガスの臭い。己の信念を貫くのは同じなのに人はこうして争う。
『！、おっと』
何人の人間を殺し、何人の犠牲の上に私は立っているのだろうか？
ナイフを上へと投げ、向かってくる敵を次々に倒す。ナイフが落ちてくると手に取り、足に刺す。
『カイ、一旦引くよー！彼らはこれ以上来る気はないみたいだ！』
｢生き残りはどうする？｣
『生きていて損傷のある人は救護に回して、死んでいる人は後で運んで埋葬しよう。』
カイは無線でヘリや車を呼ぶ。
もう2年も戦場だ。
最近、個性を奪われる事件が多発している。人を捕まえては何らかの実験にして個性を奪い、その人間は可笑しくなって帰って来ている。
世界的な問題にまで発展している。未だに日本には手をつけられていないが手をつけられては困る。
(早く片付けないとね･･･)
ナイフを仕舞い、本部の方向へと体を翻した時だった
｢！、ライト！｣
『！』
隠れていた敵が上から奇襲してきた。
頬を切られたが大したことは無い。すぐに無力化を図り、本部へと向かう。
｢顔に傷ができたな、個性で消すのか？｣
『まぁね。擦り傷だから良いよーそれより、大統領が狙われている。カイはすぐに向かって。』
｢分かった。上に報告ーー｣
『要らないよー俺から伝えとく』
｢頼んだ｣
ヘリへと乗り込むカイを見送り、本部へと向かう。
途中ザザっと無線が入る。
『はーい』
｢ライトか。カイが向かったのか｣
『そうだよ。まぁ、足りるでしょうねー。次は？休んでもいい？』
｢まだだ｣
『ちぇー社畜はんたーい！』
｢後で休ませてやる｣とため息が聞こえる。
ザザっと雑音が入る。ナイフを小さな研石で欠けを直しながら次の指示を待つ。
｢次はそこから8キロ程言ったところにある小さな村に向かってくれ。道中の敵は任せる･･･とは言っても回収するハメになるんだろ？｣
『さぁね〜、8キロ先なら直ぐだからご飯用意して待っててよー』
ブツっと無線を切ると空を見上げる。
満天の星空とはまさにこの事でとても綺麗だ。
『彼にも、見せてあげたいなぁ･･･』
趣味は確か登山とか言っていたのを思い出す。これを見たら喜ぶ気がしてまた、無線を繋げる。
｢なんーー｣
『なぁ、この星写真で撮っといて。』
また、ため息が聞こえる。
分かった。そう聞くとまた無線を切った。
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
