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いつになく強引な千人に引かれるがままにエレベーターへと乗り込むと部屋のある階が点滅する。
『明日から仕事なんだぁ、だから君と話したくってねーあ、あとご飯も食べたい！』
気づけば姿も変え、元の姿になる。
相変わらずのわがまま加減に爆豪も諦め、こうなればとことん付き合ってやる。と意気込む。
エレベーターは階に着いたことを知らせ、降りながらマスクを外す爆豪を千人は顔を覗き込む。
｢んだボケ、｣
『君って、いい顔してるよね。』
｢はぁ？｣
『前からだけどねー。改めて見るとカッコイイよ、君は。』
はーいろ、と爆豪を置いて入ってしまう。
その千人のポケットからはいつぞやの可愛くないキーホルダーが揺れていた。
『おお〜、いいねぇ、これ。』
ジャガイモをの手の中で転がしている千人。
爆豪が見つけた皮むき手袋。以前捏ねて料理を手伝わせた時にあまりの不器用さに愕然とし、目に止まって迷わず買った物だった。
｢剥けたら根んとこ、これでこうやってくり抜く｣
『おおー！ってなんで？』
｢んなことも知らねーのか、ジャガイモの根にはソラニンって毒があんだよ。最近のは無いのもあるらしいけどな、一応だ、一応。｣
なるほどー、と小さなナイフで根の部分をくり抜く。ナイフや包丁、主に武器になる物の扱いだけは上手い。
その間に爆豪は胡瓜と林檎、ハムを切り、鶏肉を一口に切ると下味を付けて冷蔵庫に入れる。冷蔵庫から視線を千人に向けると目が合う。
いつもなら不思議そうな、何をやってるの？と疑問を浮かべている目がどこか違うのは爆豪の目から見ても分かった。
『食後はアップルパイがいいなぁ、あとーー』
｢その変な感じは仕事のせいか｣
言葉を遮り、聞いたのは正解だった。
千人は珍しく視線を落とすと顔色を変えることなく、ジャガイモをまな板に置きながらぽつぽつと零す。
『仕事がさぁ、今回長期なんだよね･･･その事に今までは特になんとも思わなかったんだけどね、おかしいんだよねー。なんか行きたくないんだァ』
｢長期ってどれくらいだ？｣
『さぁ、いつ帰れるのか分かんないなー1年、2年それより長いかも。』
｢･･･｣
1年、2年、それよりも･･･千人の言葉がこだまする。
爆豪はジャガイモを切りながら質問を投げかけた。
｢行きたくない理由はなんだ？今までそういうことはあったんじゃねぇのか｣
爆豪の問に千人の視線が動く。
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
