○２３ ページ23
『洗って』
その一言に爆豪は言葉を無くした。
優男でいると思って苛立ちの色で振り返った爆豪の目には元の姿で、しかも裸で平然とそれを言った千人に苛立ちがどこかへと弾かれた。
見た目より大きな、形の良い胸にこいつ着痩せタイプかよ。と呑気に思った爆豪。
『あ、髪だけでいいよー君はマッサージも出来そうだから頭皮して欲しいなー』
よろしくーと風呂場へと固まる爆豪を置いて入って行く。
1人残された爆豪は理性やらなんやらより少しの殺意と、自分があんなのを好きになった自らに苛立ったことは間違いない。
｢ば、爆豪、俺帰ろうか？｣
｢あ！？うるせぇ！いてろクソ髪！｣
｢わー！怒るなって晩飯作ろうぜ！｣
今に始まったことではないそれを何とか消化した爆豪は晩飯の準備を始めた。程なくして風呂場から呼ばれた爆豪は半分手を濡らしながら向かう。
もう理性とかあほらしい物は置いていた爆豪はズボンの裾を捲り上げると戸を開けた。
｢入る。｣
『はーい』
やっほーと浴槽の淵に頭を置いて準備出来てます、という体制の千人に目を逸らしながらシャワーヘッドを掴み、シャンプーとリンスを寄せる。
｢裸、少しくらい気にしろや｣
『んー、いいよ別に君だから。』
良くねぇよ！そう言いたい爆豪は苛立ち半分に頭を洗い始める。長い髪は普段から手入れのひとつもない為、痛みがある。
サンプルで付いていた使いかけのコンディショナーを思い出しているとあ、それいいとか気持ち良さそうな千人、ら
｢お前、俺が男って忘れてんのか｣
『忘れてないよー？』
｢嘘つけ、それならこんなことしねぇだろうが｣
『んー･･･そう言っても君は何もしないよー』
どっからそんな自信あんだよ、
泡を流し、コンディショナーを付ける。
『あれ、そう言えば誰かきてるのー？』
｢クソ髪が来てる。前に見ただろ、髪の赤い奴｣
『あー！彼ね、なに？飲むの？？』
爆豪の中で少しの変化と苛立ちに気付かない千人はいつもの饒舌振りを発揮させる。その間に洗われた髪は艶を取り戻している。
シャワーヘッドから出る水を止めるとまだ話す千人の頭を見つめる。
こいつ、バカじゃねぇの？
『そうだ、私の部屋に貰ったお酒があるんだー。良かったらーー』
｢おい｣
『ん？』
あ、洗った？と顔を上げようとする千人。
爆豪は手を伸ばすといつぞややられたように顎を上げる。
｢テメェは少しは意識しろよ｣
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
