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『んー、女だよ?』

「なんで疑問形なんだボケ」

『いや、だってさー・・・もう10年以上も性別答えてなかったから、気持ち悪くてさー』



ぶーと唇を尖らせる。

女、ということにほっとしつつそれから気になったのは姿だった。もうここまで聞けば構うことはない。

爆豪は続けて質問をした。



「本当の姿は」

『・・・』



性別よりも答えにくいのか、見せにくいのかぐっと何かを堪える。

不意に千人の足が爆豪を挟むようになり、ぐっと体を起こすと爆豪の背の方へと体を傾ける。爆豪からは死角になり見えるのは肩と足のみ。



『・・・やっぱり聞くよなー』



声のトーンが少しばかり落ちる。

何かをぶつぶつと言った後、深く溜息吐くのが聞こえる。そのうち前に来ている右足が細くなり、大きな男の肩は細く小さくなる。

そして、ゆっくりと体を上げた千人に爆豪は目を瞬かせた。そこにはこれまでに2回ほど目にしていた人形見たいな奴だった。



『これ、好きじゃないんだよねー』

「いや、つか、2回見てるからな」

『え?嘘!いつ!?』

「はぁ!テメェ無自覚でしてたのか!」



紫の瞳が驚きで見開かれる。

真っ白なその容姿は聞くにアルビノ、という遺伝子の問題らしく個性でなってるものでは無いらしい。千人はアルビノ、ではなく元の容姿が不満らしい。

どこが、と聞けば顔!と言う。



『もっと可愛くってー目のパチッとした子なら潜入捜査的なの出来たのにーリー見たいな。』

「・・・」



いやいや、お前の容姿あの女より良いからな。とは爆豪は口から滑り落ちそうになった言葉を飲み込み、2度も見た容姿を睨むように凝視する。

爆豪は女であることへの安心感とこれから先、千人が無自覚に個性を解かないか、そんな不安を感じていた。



『・・・君、思いの他見るね。そんなに変?』

「知るかよ、ブス」

『ブス!?ほんと君ってそういうとこあるよねー!』



いつもの優男に戻ると頬を膨らませてもうなってやんない!と拗ねる。

悪気はない爆豪だが1度口に出してしまったものを撤回ということを性格上出来るわけもなく苦い顔になっているのは千人から見てもわかった。

千人は体をまた起こすと元の姿に戻る。



『嘘だよ。君が素直じゃないことは知ってるからねー』



なんだそれ、そう言いたげな爆豪の目ににっと笑う千人。そんな馬鹿みたいな面が爆豪には愛しくて仕方がなかった。

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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます!感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします! (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます!ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります! (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:秋雨秦 | 作成日時:2017年12月23日 10時

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