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『いやー、楽しかったねー。』
ソファでくつろぐいつもの優男に戻ったその人物の足元、空いたスペースに腰掛ける。
ローテーブルの上に白い湯気の立つココアを置けばやった、と手を伸ばしてそれを口にする。
｢さっきの、｣
『ん？』
｢さっきのは有効かよ｣
『有効だよ？なんで？』
別に、無愛想に答える爆豪にその人物は目を細めた。
『聞きたいことがあるんだよね？』
｢聞いてテメェは嘘つかねぇって保証あんのか｣
『あるよ。俺は嘘はつかない。』
｢･･･｣
違った目の細め方、薄く上げられた口角。スイッチが入るとこうも人間は変わるのかと、爆豪は思った。
確かに嘘はつかない。これまで一度として約束も、嘘もこいつは破ったことは無い。信用に足る言葉に先に項垂れたのは爆豪だった。
｢俺の質問に答えろ。それでいい。｣
『分かったー。』
また、ココアを口に運ぶ。
｢テメェの苗字は｣
『せんり、千って書いて、人。』
｢仕事は｣
『国家機密保護、遺跡保護・修繕、あっちの国の特殊部隊でたまーに戦争してる。それくらい。』
｢は？頭イったか？｣
『いってませーん！』
失礼な！と頬を膨らませる。
時々居なくなるのはそういうことだったのか、と納得する中、こいつ何者だよ。と呆気に取られていた。
｢てことはなんだ、中年か？｣
『ちっがーう』
｢年齢｣
『君と同じハタチだよー。』
同じ二十歳でなっているもののスケールが違う。平然と当たり前のように答える人物こと、千人に爆豪の眉間に皺が寄る。
厳しい顔のまま次の質問をしようとした口を噤む。
｢また、質問してもいいか？｣
『･･･』
｢おい、｣
初めてだった。この千人が驚いたような顔をしたのは。その驚いた顔に思わず爆豪は手を顔に押し付けた。息！ともがく千人。
『死んじゃうじゃん。びっくりしたー。』
｢･･･んで、質問の回答は｣
『んー、まぁいいよ？君ってちょーと気が短いから全部聞かれるのかと思ったけど意外だねぇ』
コトっと飲みかけのココアが置かれる。飲み終わるまでは手から離さないのにどんな心境の変化だ、と千人を見る。
と、突然体を足で挟まれ、ぐんっと起き上がった千人は優男ではない整った顔、白い肌と長髪、長いまつげ、アメジストの様な紫の瞳はまるで人形。
それがほんの数センチ、息が当たる距離に生唾を飲み込む。
『君を選んで良かった。』
楽しげに笑う千人。爆豪は静かにその瞳を見つめた。
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
