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半年間サイドキックとして働いてから独立を決めていた爆豪は不動産屋に張り出された間取りや、建物の写真をかれこれ1時間は睨み続けていた。
勿論、予算もある。大きなところほどいいに決まっているがヒーローとしては半年のみ。実績はあるが金銭はない。
｢チッ、｣
苦い思いで舌打ちをする。
決めていた事を曲げるのは性にあわない。プライドとしても許せないがこればかりは現実問題だ。また半年間、サイドキックをすることを考え始めた時だった。
『ねぇ、ねぇ、もしかして部屋探してる？』
｢あ？｣
中学生くらいのガキが、生意気にも聞いてくる。
｢だったら何だ。つか、この時間学校だろうが。｣
『学校は行かないよー。まぁ、そこは置いて･･･君さぁ、料理とかできる？』
へらへらと聞いてくるガキに腹を立てるのも面倒になってきた爆豪は｢知るかよ｣と、突き放す。
『あ、出来ないんだ』
｢出来るわクソが！｣
『おぉ、いいね。そういうタイプね。』
爆豪の威嚇にも怯まないガキ。
そいつはじっと張り出されている紙を見つめると手を伸ばして1枚を勢いよく、剥ぎ取った。
｢クソガキ！何してんだ！｣
『え？何って、これを買うんだよ？』
｢ああ！？｣
『君は料理が出来るんだよね？家事もできそうだねその勢いなら。だからさぁ、俺の家政夫になってよ。』
｢はぁ！？ざけんな！｣
意味の分からないことを言う。爆豪は面倒くささより、このガキの頭のイき具合に困惑していた。
ガキは何かを考える素振りをし、あ、と手を鳴らす。
『家賃も要らないし、ここに住んで良いから。ただ家事とかして欲しいんだよね。その分の給料は出すよ、どう？』
｢どうじゃねぇよ、こっちはそんな馬鹿話に付き合ってる暇ねぇんだよ！事務所探しーー｣
『ここの高層マンションの下は事務所にしたら良いじゃん？』
平然と述べるその提案に爆豪は固まった。
冗談にしてはしつこい。その上嘘を吐いている様にも見えない。少し家事をすれば良いだけでそんなお得な事があるだろうか。
半信半疑の目を向けるとまた、あ、と手を鳴らす。
『食費とかも要らないし、何なら事務所に改装する？』
乗った。
ガキと連絡先を交換し、また後日話し合うことになった。
後になって冷静になった。そんな嘘見てぇな話し、ある訳がねぇ。そう思った俺は電話を掛けた。深夜2時だ。
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フィンランド製たわし - すごく好み (2018年3月29日 1時) (
レス) id: 674b68e11d (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - 蒼葉さん» ありがとうございます！感動して頂けるとはっ、これからもよろしくお願いします！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉 - 面白かったです。感動しました。 (2018年2月12日 13時) (レス) id: 0d56540811 (このIDを非表示/違反報告)
秋雨秦(プロフ) - はるみんさん» コメントありがとうございます！ご指摘ありがとうございます、中々見返せないのでこうしたご指摘はとても嬉しいです。お気遣いまでしていただけてありがとうございます。更新頑張ります！ (2018年1月31日 21時) (レス) id: 83d660fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はるみん(プロフ) - 39話で“10分前”とか書こうとしたんでしょうけど、“10前”ってなっていますよ。 いつも楽しく読ませてもらっています。更新無理せず、頑張ってください。 (2018年1月31日 1時) (レス) id: 2b9a934708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨秦 | 作成日時：2017年12月23日 10時
