HARU 【男主】【HQ!】

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うーーーん？たしかに教室から出て曲がった方向はこっちだったと思うんだけど、体育館ここじゃない。
やっと見つけた1つ目の体育館はバスケ部しかいなかったし。
バレー部が居るのは第2体育館とかそういうことだよね。

方向音痴には新しい場所はむり。あしたにしようかな。
そう思いながら携帯を取り出して操作しながら歩いてると、何かにぶつかった。
…歩きながら携帯なんて触るもんじゃねえな。






『スイマセン…』

「いや、こっちこそ余所見してたので。すみません。
　………………あ、」

『……ん？』




俺より少し高い身長。おれを見つめてるその顔はなんだか見覚えがある。
どこかで見たことある顔……どこだっけ…あ、わかったかも。





『…入学式帰り、おれら目合った？』

「……カンチガイじゃなければ。
　同じ1年生だよね」

『うん、なんか見たことある顔だなーっておもった』


「…俺はきみのことちゃんと知ってるよ。
　西中出身の 春姫 Aくん、リベロでしょ」






ふふ、とすこし口角を上げながら俺の名前を言う目の前の彼。
やっぱり 入学式のときに既視感を覚えたのはバレー部関係者だったからか。
……が、申し訳ないがおれはきみの名前までは覚えていない。






『…そー、フルネームでちゃんと(・・・・)知ってんの珍しいね
　えーーーっと、』

「杜中学出身、赤葦京治。
　同じ1年でポジションはセッター
　……その感じは体育館迷ってたとか？一緒行こうか」

『おおおっ、あかあしくん…！
　よくわかったね おれもう諦めるとこだったの』

「方向音痴そうだし」

『んんんそんなの見た目で分からんでしょうが』




また ふふふ と嬉しそうに笑う赤葦くん。
……人からかうのが好きなのかな。
杜中か、全く戦ったことないってことは無いのかもしれないけど…中学の試合はあんまり記憶に残ってない。










「あ、ここっぽいね。バレーの音がする」

『…ほんとだ。あれ、おれここさっき通ったはずなんだけど』

「方向音痴…」
『うるせえな』





中から聞こえるシューズの擦れる音とボールの叩く音。
やっぱこの音いいよな〜なんて思いながら重いドアを開ける。










「俺によこせェェェエ！！！」









大きな声と高く上げられた手。
ふわりと弧を描いたボールに向かって一直線。
手に当たったボールはブロックを弾き飛ばして、相手側のコートに音を立てて落ちる。

ああ、あれが噂の。

となりの赤葦くんを見ると 目をキラキラとさせてその人を見てるもんだから、話しかけるのはやめといた。








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