HARU 【男主】【HQ!】

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『おれ、バレー見に行きたいからっ』

「まあまあまあ！とりあえずボール！ほい！」





3年生から投げられたボールを足で止めると、反応速度いいねえと褒められる。
そこら辺で見ててよ〜なんてあとは放置された。
ちなみに垣井はなぜか着替えていたため連れていかれた。

あと五分したらここ出よう、とつまんないからリフティングしてると、別の3年生に声をかけられた。






「上手いじゃん！サッカー部志望じゃないの？」

『あー、おれはバレー部志望で……』

「へー！の割にリフティングとか出来るし、足の使い方無駄なくていいな！！」

『…まあ、サッカーもすきだし ボールに触れるのは楽しいので』




そう言うと、二刀流出来てかっけーな！と褒められた。
サッカーのためにリフティングしてるわけじゃないけど、まあ二刀流…いや、ちがうな。





「バレー部ならあれだな、木兎がいるな！」

『木兎？』

「お？知らねえの？木兎光太郎！！おれたちの学年同じ2年生なんだけど、相当強いからバレーやってるやつなら知ってるんだと思ってたけど」

『あー…知ってます』

「ほー、やっぱり有名なんだな。
アイツおもしれーけどバカだからバレー部行ったらお世話よろしくな！」





気が向いたらサッカー部入れよ！兼任OK！なんて言い残して練習に戻った先輩。
てか3年生だと思ったけどあの人2年生なのか。陽気だ。

サッカーをしていてもバレーのことを考えてしまうあたり、やっぱり自分にはバレーが合ってるんだと思う。
中学三年間続けたものを今更簡単には辞めれないし。

サッカーボールをテキトーに蹴って、体育館へ足を進める。


グラウンドを見ると、たまに あのときバレーじゃなくてサッカーを選んでいたら俺の人生は全く違ったんだろうな、と考える。
後悔なんてイチミリもしてないけど。







『……ってか体育館どっちだろ』








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