悪魔の双子1*Y ページ10
今朝早くに、ひとりのご婦人がﾍﾟｯﾄを預けに来た。
ｼｬﾑ猫の双子で、名前はｼｭｰとﾗﾙ。
煌びやかな雰囲気を放つ二匹は一足先に部屋に入るなり、ｹﾞｰｼﾞで寝息を立てるたいすけを見つけた。
何やらこそこそ話してから、見定めるようにたまとみつも眺めていく。
「どうかした？気になるの？」
声をかけると、二匹は同時に振り返って首を振る。
また同時にｹﾞｰｼﾞを見つめ、気品漂う歩き方で部屋中を歩き回っている。
「わんわん物語の猫みたいだよね」
部屋の扉を覗きながら、宮田が呟く。
…あー、あの意地悪する猫二匹ね。
なんとなく、雰囲気は似てるかも。
たいすけたちを起こす時間になり、ｹﾞｰｼﾞを開けてひとりずつ挨拶していく。
眠そうに目をこするたいすけは、いち早くｼｭｰとﾗﾙを発見した。
『…あれ、はやくない？もうあずかってるの？』
「うん、今日は特別にね」
双子に近寄っていったたいすけは、きちんとお辞儀しながら自己紹介をしている。
『はじめまして、たいすけです。よろしくな』
『…………』
双子は軽く会釈を返し、名乗らないままたいすけを二匹でくるくると囲った。
たいすけは居心地悪そうにそわそわしている。
『え、っと…。なまえは？』
『…わたしはｼｭｰ』
『…わたしはﾗﾙ』
『ｼｭｰとﾗﾙね、よろしく』
たいすけがはにかむと、二匹は囲うのをやめてみつのｹﾞｰｼﾞへ向かった。
小さく欠伸するみつをﾆｺﾆｺと眺めている二匹。
『くぁあ〜…お、あたらしいこ！しゃむ？』
『…ええ、そう』
『よろしくな！みつってよんで！』
『…ふふ、みつ』
『…ふふ、みつ』
何が楽しいのか、小さなみつもくるくると囲いはじめた。
みつも二匹の真ん中でくるくると回ると、双子はまたも囲うのをやめ、今度はたまのｹﾞｰｼﾞへ向かう。
「ね、横尾さん。あの子ら、大丈夫なの…？」
「何が？」
「…いや、なんか…雰囲気が近寄りがたいというか…」
宮田の言うとおり、独特の雰囲気で仲良く遊ぶような感じはしない二匹。
たいすけやみつを観察して楽しんでいるようにも伺える。
「何もないといいけど…注意はしておこう」
たまとも同様に挨拶を交わす二匹を、俺たちは若干胸騒ぎを感じながら眺めていた。
…後にこの二匹が、とんでもない事をしでかすのを、俺たちはまだ知らない。
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谷森山(プロフ) - たまちゃんさん» ご感想ありがとうございます(*^o^*)可愛いと言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます(*^^*)！ (2015年10月5日 20時) (
レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - はじめて読みまして。かわいい〜アニマルさんにゾッコンです。 (2015年10月5日 19時) (レス) id: 6b828e5d7b (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - tanaさん» ありがとうございます(*^^*)！飛び出た目はちゃんと鼻から仕舞っておきましたのでご安心を(*^o^*)笑 こちらこそ、いつもお付き合いくださり本当にありがとうございます！励みになっております(;_;) (2015年10月5日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
tana(プロフ) - 続編嬉しいです！アニマルさん可愛がりますよ〜( ´ ▽ ` )その前に飛び出た目は口から戻していただいて…笑 いつも楽しませていただいてありがとうございます(｀_´)ゞ (2015年10月5日 1時) (レス) id: 2c098967d9 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Yumeさん» ご意見ありがとうございます(*^o^*)続編希望、全力で受け止めました！ありがとうございます(*^^*)笑 (2015年10月4日 3時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
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