ありがとっていいたくて4*M ページ29
「おっはよ…」
いつも通り元気に出勤してきたはいいものの、施設内はとても静かだ。
今日は誰も預かってないのかな？
職員室へ向かうと、ﾆｶがﾃﾞｽｸに向かって資料をまとめていた。
「ﾆｶおはよ。今日は誰もいないの？」
「あっ、あっ！みや、宮田おはよ！うん！今日は！誰も！いないよ！ほんとだよ！」
「…？そ、そう…」
明らかに嘘の下手なﾆｶ。
何か隠してるっぽいけど、下手につつくと可哀想だから気付かないﾌﾘをした。
俺もﾃﾞｽｸに鞄を置くと、窓に反射して映る廊下を、ささっと誰かが通った気がした。
なんとなく千賀っぽかったけど…。
え、これ…つっこんじゃだめなやつ？
「あ、そうだ！宮田！俺、ちょっとみつたち見てくるね！」
「え、う…うん」
「そういえば！ﾎｰﾙの電気が調子悪いって千賀が言ってたから！宮田、ちょっと見てきて！」
「わ、わかった…」
ﾆｶはばたばたと出て行った。
最近ﾎｰﾙなんて使ってなかったし、調子悪いなら自分で換えとかないのかな千賀…。
疑問に思いつつもﾎｰﾙへ向かい、電気をつけた。
調子が悪いなんて嘘のように、ぱっと明るくなる。
「なんだ、電気点く…」
明るくなったﾎｰﾙは華やかに飾られていて、真ん中の長机には美味しそうな料理とｹｰｷ。
天井から吊り下げられたﾎﾞｰﾄﾞには、“宮田お誕生日おめでとう”の文字が。
『みあた』
いつもと違う様子にﾎﾟｶﾝとしていると、ﾎｰﾙの真ん中にちょこんとたまが立っていた。
頭には可愛らしい小さな花がついていて、ちょこちょこと歩いてくる嘴には白い生花が咥えられている。
「たま、どうしたのこれ…」
俺の足元まで来ると、たまは恥ずかしそうに咥えた生花を差し出してくる。
わけもわからず受け取ると、意を決したように真っ赤な顔を上げて、小さな嘴を俺の手の甲へくっつけた。
「…えっ」
『お、おたんじょうび……おめ、でとう…』
「……たま…」
すっかり忘れていた自分の誕生日。
小さな気遣いが嬉しくて、感動のあまりにたまを抱きしめようと手を伸ばす。
「「「『『おめでとーー！！』』」」」
抱きしめることは叶わず、飛び出してきたみんながﾊﾟﾝﾊﾟﾝとｸﾗｯｶｰを鳴らしながら駆けてきた。
がやさんときたみつは三角帽子付き。
なぜか千賀は鼻眼鏡を嵌めて、横尾さんは誕生日ｹｰｷが刺さった帽子を付けている。
ようやく状況が把握できた俺は、胸の奥から喜びが沸き上がってきた。
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谷森山(プロフ) - たまちゃんさん» ご感想ありがとうございます(*^o^*)可愛いと言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます(*^^*)！ (2015年10月5日 20時) (
レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - はじめて読みまして。かわいい〜アニマルさんにゾッコンです。 (2015年10月5日 19時) (レス) id: 6b828e5d7b (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - tanaさん» ありがとうございます(*^^*)！飛び出た目はちゃんと鼻から仕舞っておきましたのでご安心を(*^o^*)笑 こちらこそ、いつもお付き合いくださり本当にありがとうございます！励みになっております(;_;) (2015年10月5日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
tana(プロフ) - 続編嬉しいです！アニマルさん可愛がりますよ〜( ´ ▽ ` )その前に飛び出た目は口から戻していただいて…笑 いつも楽しませていただいてありがとうございます(｀_´)ゞ (2015年10月5日 1時) (レス) id: 2c098967d9 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Yumeさん» ご意見ありがとうございます(*^o^*)続編希望、全力で受け止めました！ありがとうございます(*^^*)笑 (2015年10月4日 3時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
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