おれのものになるよてい2*Y ページ22
部屋ではもう太輔が動物たちに溶け込んで遊んでいた。
その社交性は羨ましい限りだな。
『たいすけ、あそぼーよ！』
『…おれ？』
「ふふ、俺かな？」
『りょーほー！』
預けられた動物たちはすっかり太輔を気に入ってて、名前を呼ぶとたいすけも太輔も振り返るのを面白がっている。
微笑ましいなぁと見ていると、いつもはみんなの中心にいるはずのみつが、輪から外れてちょこんと座っていた。
「みつ、どうした？病み上がりだからつらい？」
近付いて声をかけると、おもちゃの植物の種を両手でころころ撫でながら首を振った。
でも心なしか顔も赤いし、熱ぶり返したかな。
そう思い掬い上げて額に指を当てても、あまり熱くなかった。
『ねつないよ』
「みたいだね。…どうした？珍しいじゃん」
『…よこおさん、あそぼ』
「みんなと遊ばなくていいの？」
『…うん』
これは本当に熱あるんじゃないか。
友だち大好きなみつが、みんなと遊ばないだなんて。
でも無理にみんなの所へ行かせるのも気が引けて、そのままじゃれ合って遊んでやった。
「…渉、その子は？」
少しすると太輔が来て、驚いたみつは俺の手を盾にして隠れた。
太輔はみつの姿がよく見れなかったのか興味津々で、俺の裏側へ回り込んで覗き込もうとする。
反射神経のいいみつはそれを避けようと俺の手の周りをくるくると回って太輔から逃げる。
太輔が回り込んで追う。
みつがくるくる逃げる。
「なにやってんのお前ら？(笑)」
「えへへ、その子ﾊﾑｽﾀｰ？見せて見せて！」
『やだっ！よこおさん、て、どけないで！』
「隙ありっ」
ぱっと俺の手を掴んでどけた太輔。
隠れるものがなくなったみつは、おろおろとその場を回る。
太輔は目に見えて“可愛い〜”って思ってる顔。
「こんにちは。みんなと遊ばないの？」
みつに目線を合わせるようにしゃがみ込み、とろけた笑顔ではにかむ太輔。
みつはその笑顔を見て一瞬固まり、両手で顔を隠しながらちょこんと俯いた。
『…こ、こんちは』
太輔からは顔を隠してるけど、俺には真っ赤になった小さな耳が剥き出しでよく見える。
…もしかしてみつ、照れてるのかな？
挨拶を返してくれたのが嬉しいのか、太輔はみつの頭を人差し指でﾖｼﾖｼと撫でる。
みつはもっと耳を赤くして、へたり込むように更に俯く。
確かに太輔の顔面偏差値は相当高いから、整った顔に照れちゃうのはわかるけど。
(…恋する乙女みたいだ…)
おれのものになるよてい3*Y→←おれのものになるよてい1*Y
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
谷森山(プロフ) - たまちゃんさん» ご感想ありがとうございます(*^o^*)可愛いと言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます(*^^*)！ (2015年10月5日 20時) (
レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - はじめて読みまして。かわいい〜アニマルさんにゾッコンです。 (2015年10月5日 19時) (レス) id: 6b828e5d7b (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - tanaさん» ありがとうございます(*^^*)！飛び出た目はちゃんと鼻から仕舞っておきましたのでご安心を(*^o^*)笑 こちらこそ、いつもお付き合いくださり本当にありがとうございます！励みになっております(;_;) (2015年10月5日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
tana(プロフ) - 続編嬉しいです！アニマルさん可愛がりますよ〜( ´ ▽ ` )その前に飛び出た目は口から戻していただいて…笑 いつも楽しませていただいてありがとうございます(｀_´)ゞ (2015年10月5日 1時) (レス) id: 2c098967d9 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Yumeさん» ご意見ありがとうございます(*^o^*)続編希望、全力で受け止めました！ありがとうございます(*^^*)笑 (2015年10月4日 3時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
