うさがや、がんばる4*F ページ19
ﾆｶに写真を見せてもらい、形状を脳裏に焼き付けた。
はやく北山を楽にしてあげたい。
でも、俺がそばに居て万が一移ったら…ﾆｶや渉に迷惑がかかる。
庭園の植物園ｺｰﾅｰは、渉とよく散歩してる。
どこにあるかは覚えてないけど、その形を覚えてから庭園へ急いだ。
「がやさん、気をつけてよ！」
後ろからﾆｶの声がした。
夜中に外へ出るのは初めてで、昼間とはまるで違って見える景色に、少し不安になる。
植物園ｺｰﾅｰに入ると、真っ暗の中で似たような形の葉っぱたちが俺を惑わせてきた。
ひとつひとつ真剣に確認して、電気のついている職員室を見つめた。
…あそこでまだ、北山が苦しんでる。
俺が泣きそうになっても仕方ないけど、こんな時何もしてやれない自分の非力さを憎みながら、夢中で葉っぱを探した。
どこを何度見ても、見つからないそれ。
焦りとともに涙も出て来て、視界がぼやけた。
泣いてちゃだめだ！と、夜空を仰いだ時。
『…あった！』
夜空へ向かって伸びる枝先に、数枚携わる葉っぱたち。
紛れもなく写真で見たそれで、俺は必死に飛び跳ねてみた。
けど、人間が手を伸ばせばやっと届く程の位置は、俺が飛び跳ねても届くはずもなく。
木登りは得意じゃないけど、北山が助かるなら…と、何度もずり落ちながら登っていく。
やっとたどり着いた頂上から、更に上へ延びている枝。
恐る恐る片手を離し、夜空へ延びる枝に触れた。
怖かったけど身を乗り出して、一番近い葉っぱを掴むと、それは簡単に破けてしまった。
『いたっ…』
同時に、指先が枝に引っかかって切れた。
血が滲んできて痛かったけど、北山はもっと苦しいから。
何度も手を切りながら、ようやく枝にぶら下がる葉っぱを三枚採る事が出来た。
登るのも苦手なら降りるのも苦手な俺は、落ちないように慎重に木から降りた。
自分より背の高い植物たちをかきわけて、やっとの事でﾆｶの元へ戻った。
「わ、がやさん！傷だらけじゃんか〜！」
職員室へ入ると、ﾆｶがばたばたと駆け寄ってきて抱き上げてくれた。
気付かなかったけど、至る所を切っていたみたいで、ﾆｶはﾖｼﾖｼと額を撫でてくれる。
早速取ってきた葉っぱをﾆｶに差し出すと、ﾆｶは嬉しそうに笑った。
「本当に採ってきてくれたんだね！ありがとう〜！」
葉っぱを受け取って作業台へ向かうﾆｶを見届けると、疲れからか急激な睡魔に襲われ、俺はその場で瞼を閉じた。
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谷森山(プロフ) - たまちゃんさん» ご感想ありがとうございます(*^o^*)可愛いと言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます(*^^*)！ (2015年10月5日 20時) (
レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - はじめて読みまして。かわいい〜アニマルさんにゾッコンです。 (2015年10月5日 19時) (レス) id: 6b828e5d7b (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - tanaさん» ありがとうございます(*^^*)！飛び出た目はちゃんと鼻から仕舞っておきましたのでご安心を(*^o^*)笑 こちらこそ、いつもお付き合いくださり本当にありがとうございます！励みになっております(;_;) (2015年10月5日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
tana(プロフ) - 続編嬉しいです！アニマルさん可愛がりますよ〜( ´ ▽ ` )その前に飛び出た目は口から戻していただいて…笑 いつも楽しませていただいてありがとうございます(｀_´)ゞ (2015年10月5日 1時) (レス) id: 2c098967d9 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Yumeさん» ご意見ありがとうございます(*^o^*)続編希望、全力で受け止めました！ありがとうございます(*^^*)笑 (2015年10月4日 3時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
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