悪魔の双子5*Y ページ14
それからすぐに、双子の飼い主さんが迎えにきた。
ご婦人は何度も頭を下げ、双子を少し睨みながら引き取った。
「ごめんなさいねぇ。ご迷惑おかけして」
「…たぶん、自分たちより小さい子をあまり見たことがないのかと思います。機会があれば、小さい動物と触れ合う場所も作ってあげてください」
あえて躾がなってないとは言わないけど、たいすけたちにとって迷惑だったのは間違いないから謝罪は受け入れた。
宮田がまとめてくれた規約資料と、今日一日の双子の様子を一緒に渡す。
ご婦人はﾍﾟﾗﾍﾟﾗとそれを見て、目を丸くした。
「…っまぁ〜、この子たちったらそんなひどいことを？」
「今は、みんな寝てますけど。…大事に至らなくてよかったです」
話題の張本人たちは、飼い主さんのｹﾞｰｼﾞの中で欠伸している。
『わたしたち、わるくないわよねぇ？』
『そうよ。みんなとあそんであげたんだもの』
…よく言うわ。
動物のみならず俺たちまでﾍﾄﾍﾄだ。
「ちゃんと躾て、他の子たちと遊べるようになったら…また預けてください」
双子を睨みながら、少し嫌味を含めて言ってやる。
二匹はﾑｽｯとした表情になったけど、飼い主さんは申し訳なさそうに頭を下げ、去っていった。
「…めんどくさいわねぇ。ｼｭｰちゃんﾗﾙちゃん、あなたたちは悪くないでちゅからねぇ〜。もっといい動物施設探さなきゃだわ〜」
車に乗り込む際、飼い主さんの口が動いた気がするけど、なんて言ったかは聞き取れなかった。
『…わたる』
「たいすけ！大丈夫？」
恐る恐る足元にすり寄ってきたたいすけ。
どうやら、双子がもう行った事を確認しに来たようだ。
『…もう、あいつらいない？』
「うん、帰ってもらったよ」
たいすけは心底安心したような表情を見せた。
処置室へ戻ると、みつもたまも目を覚ましていた。
俺はふたりを、そっと胸に抱きしめる。
「…みつ、たま。ごめんな…怖かったろ」
ふたりはぽろぽろと涙をこぼしながら、俺の胸にすり寄ってきた。
怖い思いをさせてしまった。
こういう、躾のちゃんとしてない動物って…
飼い主さん、どうしてるんだろうか。
甘やかして甘やかしまくってるのかな。
…そんなの、愛じゃないって気づいてほしい。
人間だって常識を親が教えなきゃ、常識知らずの大人になってしまうから。
少なくともこの一件で、俺たちはそれを痛いほど理解した。
ﾊﾗﾊﾗして、みんながちょっぴり疲れた一日。
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谷森山(プロフ) - たまちゃんさん» ご感想ありがとうございます(*^o^*)可愛いと言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます(*^^*)！ (2015年10月5日 20時) (
レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - はじめて読みまして。かわいい〜アニマルさんにゾッコンです。 (2015年10月5日 19時) (レス) id: 6b828e5d7b (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - tanaさん» ありがとうございます(*^^*)！飛び出た目はちゃんと鼻から仕舞っておきましたのでご安心を(*^o^*)笑 こちらこそ、いつもお付き合いくださり本当にありがとうございます！励みになっております(;_;) (2015年10月5日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
tana(プロフ) - 続編嬉しいです！アニマルさん可愛がりますよ〜( ´ ▽ ` )その前に飛び出た目は口から戻していただいて…笑 いつも楽しませていただいてありがとうございます(｀_´)ゞ (2015年10月5日 1時) (レス) id: 2c098967d9 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Yumeさん» ご意見ありがとうございます(*^o^*)続編希望、全力で受け止めました！ありがとうございます(*^^*)笑 (2015年10月4日 3時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
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