悪魔の双子3*Y ページ12
「…あんな双子がいるなんて」
処置室に入るなり、宮田が眉をしかめた。
他人のﾍﾟｯﾄをとやかく言うつもりはないけど、他の動物に迷惑がかかるなら話は別だ。
「そうだね…飼い主さん、迎えに来てくれるといいけど」
「なんだっけ？お友達とお茶してくる間預かってろってやつだっけ」
「うん。ﾓｰﾆﾝｸﾞ行って、ｼｮｯﾋﾟﾝｸﾞしてﾗﾝﾁしてから映画見て、お茶して帰ってくるらしいよ」
「…規約違反だし、来てくれるっしょ」
たいすけとみつを軽くﾚﾝﾄｹﾞﾝ撮影し異常がないことを確認すると、宮田は飼い主さんに電話しに行った。
俺はその間ふたりを優しく撫でてやり、目を離した自分を恨んだ。
時計を見ると、ちょうどお昼。
そろそろ健永が出勤してくるかな、なんて思ってると、処置室のﾄﾞｱから健永がひょっこり顔を出した。
「おはよ健永」
「横尾さんおはよ。みんなは？」
「宮田は飼い主さんに電話しに…」
「そうじゃなくて、動物たち。今日は誰も預かってないの？」
健永の言葉の意味がわからず、俺は首を傾げた。
手元でゆっくり呼吸をするたいすけとみつを発見すると、健永は顔を歪めた。
「えっ、がやさんとみつどうしたの？」
「ｼｬﾑ猫双子にやられてさ…宮田が今、迎えに来れるかって確認を…」
「え？部屋には動物一匹もいなかったよ？」
健永の言葉に、背中を冷たい汗が伝っていく。
今日預かってるのは、ｼｬﾑ猫双子のみ。
あとは元からいるたいすけとみつ、それと…。
「たまは？たまも居ないの！？」
「えっ？う、うん。いなかったよ？」
…最悪だ。
「しまった…部屋の鍵かけずに出てきちゃったんだ！」
「えっ、なに？どういうこと？」
「健永、たいすけとみつ見てて！宮田が戻ってきたら今と同じ話すれば理解すると思うから！」
「え、ちょっ横尾さん！？」
浮かび上がる最悪の状況を振り払いながら、俺は施設の隅々を走り回った。
至る部屋を探しても、たまはおろか双子すら見つからない。
…あとはもう、小さな庭園か砂場…
そこにも居なかったら…
施設の前は、多くの車が行き交う道路。
どうか庭園か砂場にいてほしいと祈りながら、靴を履いて砂場を目指す。
砂場は昨日みんなで遊んだままになっていて、新しい足跡は見あたらなかった。
最後の願いを込めて、庭園へ向かう。
…すると途中、小さく笑う声が聞こえてきた。
ｸｽｸｽ…ｸｽｸｽｸｽ…
間違いない、双子は庭園にいる！
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谷森山(プロフ) - たまちゃんさん» ご感想ありがとうございます(*^o^*)可愛いと言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます(*^^*)！ (2015年10月5日 20時) (
レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - はじめて読みまして。かわいい〜アニマルさんにゾッコンです。 (2015年10月5日 19時) (レス) id: 6b828e5d7b (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - tanaさん» ありがとうございます(*^^*)！飛び出た目はちゃんと鼻から仕舞っておきましたのでご安心を(*^o^*)笑 こちらこそ、いつもお付き合いくださり本当にありがとうございます！励みになっております(;_;) (2015年10月5日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
tana(プロフ) - 続編嬉しいです！アニマルさん可愛がりますよ〜( ´ ▽ ` )その前に飛び出た目は口から戻していただいて…笑 いつも楽しませていただいてありがとうございます(｀_´)ゞ (2015年10月5日 1時) (レス) id: 2c098967d9 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Yumeさん» ご意見ありがとうございます(*^o^*)続編希望、全力で受け止めました！ありがとうございます(*^^*)笑 (2015年10月4日 3時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
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