クロユリの蜜に漬け込んで、5*nb ページ8
「っ、翔太！！！」
警察が到着してから2分、佐久間の車が来て、涼太が降りてきた。
涼太は蓮のチャイルドシートを外すのも忘れて、俺を見るなりすごい勢いで抱きついてくる。
阿部が連絡してくれたみたいで、涼太の代わりに蓮のシートを外す佐久間も安心したように俺を見た。
「りょ、涼太…くるし、」
「翔太っ…ごめん、ひとりにするべきじゃなかった…っ」
「涼太のせいじゃないじゃん、俺は無事だからさ」
「…っ、体は無事かもしれないけど！………怖かった、よね？」
パトカーに乗せられる男を全力で睨み上げる涼太。
…そんな怖い顔、いままで1度も見たことなかった。
「しょっぴ」
事情を理解できてなさそうな蓮が、足元にペタっと抱きついてきた。
でもスプリングが居るというのは理解できたのか、ちょこっと俺を守るように前に出てくれる。
「蓮、ありがと。大丈夫だから」
「…だいじょぶ？ほんとに？」
「うん、ほんとだよ」
「でも、……」
抱き上げると、蓮はくしゃりと顔を歪めた。
そのまま俺の目元を、ちっちゃい手がやさしくなぞる。
「まま、ないてるもん…」
「……ぇ、」
「ぅえっ…な、なかないでっ…おれ、ままのこと、まもるからぁっ…」
「…っ、蓮！」
知らないうちに流れていた涙は、蓮の泣き顔を見ると溢れて止まらなくなった。
力いっぱい抱きしめると、蓮も俺の肩に顔を埋めてくる。
さらにその後ろから涼太が抱きしめてくれて、なんだかすごく…あったかかった。
パトカーが発進する直前、虚ろな目で俺を見ていた男がニヤリと笑う。
何かを伝えるように唇がパクパクと動いたけど、何を言ったかはわからなかった。
不気味な笑顔に背筋が凍る…でももう、現行犯で連行されるんだから安心して、いいよね？
「…阿部ちゃんは？怪我ない？」
「はい、俺は何も」
「やっぱ、すぷりんぐ、わるものやったんやなぁ」
「そだね。…あいつ、撮影してた時から翔太のこと狙ってたみたいだし。ある意味一途すぎる」
「そうだったんですね……渡辺さん、魅力的な方ですもんね」
「え！？あ、阿部ちゃん、翔太みたいな人がタイプだったりすんの！？」
「はい！？ち、違います！！」
「しょっぴーかわええよなぁ！」
「え！？康二も！？」
「康二！余計なこと言わなくていいの！や、佐久間さん違いますから！」
「ひどい！浮気だわっ！」
「ちょ、話を聞けっ！！」
(…佐久間家も毎日賑やかそうで、なにより)
だいじょうぶだもん！1*ab→←クロユリの蜜に漬け込んで、4*nb
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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます！平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…！笑 これからも応援してます！！ (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2024年1月15日 10時
