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俺の王子に白馬は不要!3*iw ページ42

「……あれ?」


家に帰ると、居るはずのふっかとラウが居ない。

電気も点いてなくて真っ暗だし、ふっかの仕事用鞄も無いからまだ帰ってきてないのかな?


「確か今日は、翔太に預けたんだよな」


仕事が押してるなら、俺がラウを迎えに行った方がいいだろう。

そう思って、スマホの画面から翔太を探して電話をかけた。









「…はぁっ、…はっ…」


電話に出た翔太から聞いた驚愕のひと言。

なんとふっかとラウは、1時間前に宮舘家を出たらしい。

どんなにゆっくり歩いても、宮舘家から岩本家までは30分ぐらい。

買い物でもしてるのかと思ったけど、食料品の買い物は昨日一緒に行ったばかり。

しかも電話に出ないし、空色のスマホ画面は一向に既読がつかない。



「…ふっか、どこ…」


暗い夜道を、宮舘家まで走ってもふっかは居なかった。

歩いてるなら必ずすれ違うと思ったのに、だ。

ラウがぐずってどこかで休憩してるかもって思ったけど、近くのコンビニにも自販機横のベンチにも居ない。

探し始めて20分。最愛の妻と息子に会えなくて、思わず不安で視界が歪む。



…もしかして、ふたりの身に何かあった?

やだ、やめてくれ。命かけて守ると誓った家族なんだよ。





「…ぅぁぁ〜…ぁぁ…」

「………?」

「ゃぁぁぁ…ぁ…〜!」

「……ラウ!?」


遠くの方から、微かに聞こえた泣き声。

聞き慣れたそれは、間違えるはずがないラウのものだ。

声のする方へダッシュすると、人気の無い公園から声が聞こえた。


「おら!ガキの口もしっかり塞げ!」

「うぁあぁぁあ〜!まっまぁ〜!」

「うっせぇな!さっさと黙らせろ!」

「やめ、ラウには…っ!ぅあっ…んん゛、っ!」



耳馴染みのあるふたりの声と、聞いた事のない男の声。

嫌な予感に、冷や汗が背中を駆け抜けた。


手入れのされてない茂みを掻き分けて進めば、図体のデカい男が現れる。

そしてまた1歩進むと見えたのは、




「……は?」




男に組み敷かれたふっかが、必死に口元を抑えながらラウを抱きしめている光景。

足の間には男が割り込んでいて、まさにいま汚い塊を埋め込もうとしてる瞬間だった。

頭を鈍器で殴られたみたいな、強すぎる衝撃に目眩がする。


ぎゅっと瞑ったままだったふっかの目が薄く開き、俺を映した。





「…っ、!ひかる…っ」




ぽろっと溢れた涙を見てしまえば、もう俺の脳みそは怒りで沸騰。

男の肩を力任せに引っ掴んでからは、正直あんまり覚えてない。

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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます!あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます!平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます!お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…!笑 これからも応援してます!! (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:谷森山 | 作成日時:2024年1月15日 10時

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