俺の王子に白馬は不要！2*fk ページ41
翔太の家に上がるなり、いの一番に洗面台へ。
これでもかってぐらい顔を洗い、リビングに行けばソファにちょこんと座るラウが居た。
俺を見つけると持っていたおもちゃをぶん投げて両手を伸ばすのが可愛くて、ちょっと泣きそうになりながら抱きしめる。
「…何さっきの？知り合いじゃないよね？」
「いや知らんよ。走ってたらぶつかっちゃって、急にああなった」
思い出したくもない光景に、思わず体がブルっと震える。
ラウはそんな俺を察してか、擦りすぎて少し赤くなった頬をやさしく撫でてくれた。
「照には？言うの？」
「……あー、いいや。あいつおっさんのこと意地でも探し出して警察突き出すとか言いそうだし、大事にしたくないかな」
「まぁ照に言ったら大事になるだろうね。あいつ学生の頃から猛アタックだったもん、ふっかのこと好き過ぎ」
それから少し学生時代の話に花を咲かせ、暗くなる前にと翔太の家を出る。
沈みかけの西陽が強いオレンジを放つ反面、見上げれば何個か星が見えた。
「ラウ、楽しかった？」
「ひゃい！」
「帰ったら何しよっか〜」
「むぇしゅ！」
「……めし？飯！？メシって言ったいま！？あっはは！」
仕事の疲れもあって、歩くスピードはだいぶゆっくり。
抱っこ紐の中でまだまだ元気いっぱいなラウとおしゃべりしながら、夕陽が完全に沈んだ帰路を進む。
家まであと5分ぐらいかなってところで、ラウがすやすや夢の中へ。
あんまり揺らさないよう慎重に歩いてると、突然後ろから肩を掴まれた。
「奥さんよぉ、夜道にひとりで歩いちゃ危ねぇぞ？」
「は！？え、え！？」
ニンマリ笑うのは、夕方のおっさん。
…え？待ってなんで居るの？
もしかして、翔太の家からずっと着いて来てたってこと？
「ひっ！？やだっ！」
後ろから抱きしめられ、耳たぶをピアスごとねっとり舐められる。
服の裾からも手を差し込まれて、臍をなぞるように撫でてくる。鳥肌が立った。
「へへへっ…暴れんなって。……赤ちゃん、可愛いねぇ？」
「……っ！」
含みのある声からは、ラウが可愛いなんて感情1ミリも感じられない。
…たぶん、暴れたら赤ちゃんに手を出す的な意味。
(…だめだ、ラウだけは…)
「いい子だ…よし、こっち来な」
ラウに危害を加えるわけにはいかない。
ぐっと抵抗する腕を止めれば、耳元の唇がニヤリと笑うのがわかる。
抱きしめられたまま、人気の無い近くの公園へズルズル連れて行かれた。
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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます！平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…！笑 これからも応援してます！！ (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2024年1月15日 10時
