17時、延びる影の黒。3*sk ページ36
『可愛いねぇ、ほぉら…お兄さんの咥えてごらん』
『お肌スベスベだねぇ。カメラに映してもらおうねぇ』
鼻息を荒げる男たちは、無意識に暴れようとする阿部ちゃんをベッドへ抑え込んで体を触りまくる。
さすがに2歳の康二でも、阿部ちゃんが嫌がってるというのは理解できたみたい。
『おばちゃ、』
『ん？こらこら、入ってきちゃダメだよ。あっちで遊んできな』
『あべちゃ…いやいやや、』
ニヤニヤしながら撮影を傍観してた保母さんのエプロンに、康二がぎゅっとしがみつく。
その手をサッと払いながら、小声でリビングに行くよう促す保母さんの目には…きっと康二なんて映っていない。
その隣で様子を見ていたサングラスの男は、しゃがみ込んで康二の顔をじっくり眺めた。
『…この子も将来有望だね。予約しておこうかな』
『えぇ！いいんですかぁ！？まだ2歳なんですけどぉ』
『10年後かぁ…綺麗な子になりそうだよね。この前売ってくれた子も人気出たし、君の施設はダイヤの原石がたくさん来るねぇ』
『そうなんですよぉ、だからこの施設やめられないんですよねぇ』
『施設って両親の許可も要らないし、こっちも有難いよ。…それにしてもあの子は、群を抜いて美人さんだ。初出しから人気が出るだろうね』
『…や、っ゛！』
全裸になった男が、阿部ちゃんの足を開いて腰を打ちつける。
苦しそうな声とベッドがおおきく軋む音が響く中、保母さんはニヤニヤするだけで助けようとしない。
『…う゛、っ…ぁ！…んん゛っ…！』
『……あべちゃ…』
『あ゛っ！…ぅぅ、…ぃ、……っっ！』
ぽろり、
阿部ちゃんの目から涙が零れた。
康二は糸が切れたように泣き出して、大声で喚きながら阿部ちゃんに駆け寄る。
『いやぁあ゛ぁ゛！！あべぢゃ、いぢめんとってぇえ゛！！』
『なんだ！？いててて！このガキ、引っ掻きやがる！』
『監督！聞いてないっすよ！』
『ちょ、保母さんその子引き剥がして！』
『こら！邪魔しちゃダメだよ！あっち行きな！』
『うわぁあ〜！！いややぁ〜！あべちゃあ〜！！』
しっかりと阿部ちゃんに抱きついた康二の泣き声は、リビングまで響いたみたい。
当時最年長だった子が慌てて様子を見に来て、犯罪スレスレの撮影現場に悲鳴を上げた。
撮影はそのまま中止になり、それ以降この男たちが施設に来ることはなくなったそうだ。
『お前が邪魔しなければ…！』
そして逆恨みのように、保母さんからの暴力が始まった。
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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます！平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…！笑 これからも応援してます！！ (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2024年1月15日 10時
