17時、延びる影の黒。2*sk ページ35
施設に入った頃、康二はまだ2歳。
記憶が曖昧だったり、難しい言葉は理解できてなかったみたい。
…だけど話を聞く限り、大体何を言いたいのかはわかった。
ちょっと俺の想像も交えるけど、康二の話はこんな感じ。
阿部ちゃんと一緒に施設へ入った日、他の子供たちと初めましての挨拶をしていると、保母さんはそそくさと部屋を出て行った。
気になった康二はこっそり後をつけて、何やら興奮気味に電話する保母さんを見つけた。
『ええ、もうとびっきりに可愛い子が入って来ましてね!…そうです中学1年生!…はい、はい、お願いしますぅ!』
そしてしばらく経った日、阿部ちゃんはいつも通り康二を保育園まで迎えに行ってから施設に帰った。
保母さんはどこかソワソワしながら、康二にオレンジジュースを、阿部ちゃんにココアを用意してくれた。
ふたりで並んで手洗いうがいをして、康二は人形で遊びながら、阿部ちゃんは自室で宿題を開きながらそれを飲んでた。
康二が人形に飽きて阿部ちゃんと遊ぼうと部屋へ行くと、阿部ちゃんは珍しく机に突っ伏して寝ていたみたい。
それを見た保母さんは軽く阿部ちゃんの肩を揺すり、起きないとわかるとニヤリと笑って客間の方へ声をかけた。
客間からぞろぞろ出てくる男たち。
筋肉質の男がふたり、大きなカメラを持った男がふたり、機材を持った男が5人くらいと、サングラスをかけた男が出てきた。
サングラスの男はぐっすり眠る阿部ちゃんの顎を持ち上げてマジマジと見つめると、ちいさく頷く。
『…こりゃ良いね。期待以上の美人さんだ。…50万でどう?』
『50かぁ…もうちょっと価値があると思うんですけどねぇ』
『…仕方ない、大サービスで80。この子ならいくらでもファンが付きそうだ』
『ひゃはは!それでお願いしますっ』
男は保母さんと、そんなやり取りをしてたらしい。
康二にはわからなくて当然だけどこれは…お金の話だ。
カメラマンらしき男たちが準備OKの合図を出すと同時に、筋肉質の男は軽々と阿部ちゃんをベッドへ運び、学ランのボタンを開いて鎖骨を撫でた。
『…ん、』
阿部ちゃんは身じろぐだけで、全く起きない。
筋肉質の男ふたりは鼻息を荒くしながら阿部ちゃんの学ランを脱がして行き、インナーをまくり上げて腹や胸を舐めまわした。
『…ゃ、……ん、っ…あ!』
どんどん激しくなっていくのに、阿部ちゃんは起きない。
…あのココア、ただのココアじゃなかったんじゃないの?
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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます!あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます!平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます!お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…!笑 これからも応援してます!! (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:谷森山 | 作成日時:2024年1月15日 10時