クロユリの蜜に漬け込んで、1*nb ページ4
「…っ、」
最近体調が悪い。
理由はわかってる、シンプルな寝不足。
有難いことに増えてきた仕事の期待を裏切るわけにもいかず、気怠い体に鞭打ってスタントをこなしていた。
(…寝不足っつーか……)
「渡辺くん、お疲れ様。控え室にお友達来てるみたいだよ」
「……友達？」
一般の友達が、ドラマの撮影現場になんて入れるわけがない。
もう、あらかた目星はついてるんだけど。
恐る恐る控え室の扉を開けて的中してしまった予想に、思わずため息をついた。
「翔太、お疲れ様」
「…なにしに来たんですか？蓮のフィギュアでも返しに来てくれたわけ？」
「相変わらず冷たいねぇ。撮影終わった？飯行こうよ」
「行かねぇよ、ひとりで食え」
毎日のように俺の前に現れる月9俳優。暇なの？こいつ。
撮影現場にはもちろんのこと、蓮の保育園の前で待ってたり、スーパーへ行くと必ず鉢合わせたり。
付き纏われてる、と思う。
こいつが蓮や阿部にしようとした事、許せるはずないのに。
なんでそんなに俺に執着すんの？腹立ってくる。
「あれ、渡辺くん友達良かったの？」
「…あれ友達じゃないです。迷惑してるので、もし次現場に来ても追い返してもらっていいですか？」
「……それって、ストーカー…とか？大丈夫なの？」
「一応大丈夫です」
「なるほど、わかったよ」
「お願いします」
そんな日が続いたからか、めちゃくちゃ周りを気にするようになった。
曲がり角は立ち止まって確認してからじゃないと怖くて進めないし、帰り道は何度も後ろを振り返る。
家に居ても窓の外が気になって、カーテンを開けたらあいつが居るんじゃないかって…
「翔太」
深夜3時。
目を閉じるとあいつの夢を見そうで怖くて、涼太と蓮の体温であたたまった布団を抜け出した。
スリッパは足音がうるさいから裸足のまま、冷たいフローリングを歩いてリビングのカーテンを覗こうとした時、後ろからあたたかい腕に抱きしめられた。
「…涼太」
「寒いでしょ？風邪引いちゃうからスリッパは履いて。…眠れないなら、付き合うから」
「……ん、」
そっと肩からブランケットを掛けられ、頬に唇が降ってきた。
涼太には、何も話してない。
だけど幼なじみには通じるものがあるのか、俺が最近寝れない事も、体調が思わしくない事もきっと全部知ってる。
「………ありがと、」
思ったより震えた声が出てしまったけど、涼太はしっかりと俺を抱きしめて離さなかった。
クロユリの蜜に漬け込んで、2*nb→←光に透かす思い出は。3*sk
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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます！平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…！笑 これからも応援してます！！ (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2024年1月15日 10時
