抱えきれない幸せも。2*sk ページ30
安心させたいが故に任せてよ！なんて言ったものの、さすがに緊張してる。
前は子供たちがいたから人気者になれたけど、今回は保護者しか居ないわけで。
しかも阿部ちゃんや康二を施設育ちだからって睨むような連中。
はっきり言って打ち解ける自信はないけど、康二のためだ行くしかない。
「…ふぅ、」
「あれ？佐久間」
「翔太！何してんの？」
意を決して保育園の玄関をくぐると、見知った顔に声をかけられた。
どうやら翔太も今日懇談会みたいで、なんだか味方がいる気がして力が抜けた。
「とは言っても蓮は康二と学年違うから、俺はこっちの教室だけどね」
「やだやだ翔太行かないでよぉ」
「園児みたいなこと言うな行ってこい」
再度深呼吸して、教室の扉を開いた。
一斉に向けられた視線は俺の髪へ…そりゃピンクだからね。
「あっ、向井 康二の…」
「ふふっ」
「………え？」
「あら失礼。そんな髪色、そうだろうと思っただけですよ」
「…どういう意味、」
「遅いんじゃないです？開始10分前ですよ、私たちは30分前に集まったっていうのに」
…なにこれ。
「前は中学生の男の子だったわよねぇ」
「保護者枠なんてコロコロ代わるでしょう？施設だもの」
…こいつら、
「みっ、皆さんお揃いなので！懇談会を始めましょう！私、担任を務めさせていただいております…」
「先生、年長さんのクラスは替えていただけるのかしら？」
「…へ？！」
言わせておけばネチネチと…
「施設育ちと同じ教室になんて、うちの子を置いておけないわ」
「それに保護者の方が…こういう、ねぇ？」
「お仕事は何されてるのかしら？…あっ、お仕事自体されてらっしゃる？」
だめだ、我慢しろ俺。
「お金はどうお支払いされてるのかしら？」
「いやぁね、言えるようなお金なわけないじゃない」
「あっ、あの皆さん！1度お静かに！」
「前の男の子だって、きっとロクな生き方してないわ」
ごめん阿部ちゃん。さすがに無理。
想像を遥かに超える宇宙人だわ、こいつら。
言って理解してもらえるとは思えないけど、言いたい放題言われるってことは俺も言っていいんだよね？
「今時そういう偏見だけで物言う人間の方が、ロクな生き方してないと思いますけどねぇ？」
阿部ちゃんは多分康二の為に、ぐっと我慢してきたんだろうけど。
俺は康二の為に、阿部ちゃんの為に、この宇宙人たちと戦おうと思います。
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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます！平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…！笑 これからも応援してます！！ (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2024年1月15日 10時
