硫黄の匂いに溶け合って。1*ab ページ15
「康二、宮舘さんと渡辺さんに迷惑かけちゃだめだよ」
「あい！」
「蓮くんとも、遊びすぎてうるさくしないようにね」
「ほい！」
「わがまま言わないように、それから…」
「阿部ちゃん、そんな言わなくても康二わかってるよ」
3連休に合わせてお休みが取れたからと言って、以前福引で当てた温泉旅行へ行くことに。
康二はその間宮舘さん宅へ預けることになり、2泊3日ともなれば迷惑をかけないか心配だ。
車から降りて宮舘家のインターホンを押すまで、とにかくいい子にしてるんだよと康二に言って聞かせた。
ほんとは、康二も連れて行きたい。
だけどせっかく佐久間さんがふたりでって言ってくれたし…その、俺も……満更でもない。
それに佐久間さんなら、今度は康二も連れて行こうって言ってくれる気がして。
だったらこの2泊は、ふたりでもいいかなって思えちゃう。
「あ！こぉじ！」
「れんやぁ〜！おじゃましますぅ！」
「よぉこそ！いらしゃい！」
「いいな〜温泉。俺らも今度行こうよ」
「そうだね。温泉ってどこまで行くの？」
「草津！俺行ってみたかったんだよね〜！」
草津。群馬県の有名温泉。
福引で当たった温泉旅行だから、名前も知らないちいさな所だと思ってたんだけど。
まさかの日本三大温泉と言われる温泉に行けるとは思ってなくて、俺も最初はびっくりした。
「車で行くんだ？」
「うん、電車だと荷物多いのつらいし。運転好きだから平気！」
「……そんなことより、佐久間」
ウッキウキな佐久間さんの胸ぐらを引っ掴む勢いで、佐久間さんを睨み上げる渡辺さん。
あまりの形相に、宮舘さんと俺までヒュっと息を飲む。
「…手、出すなよ？」
低く、静かに放たれた言葉。
多分その、ふたり旅行だから…俺まだ未成年で、っていう話だと思うんだけど…
(…わ、渡辺さんも俺たちのこと、そういう仲だと認識してるってこと！？)
「……ﾊ､ﾊｲ…」
裏返った声で返事をした佐久間さん。
渡辺さんはちいさく「よし、」と言うと、蓮くんと追いかけっこする康二の元へ。
康二に何か耳打ちすると、そのまま蓮くんにも耳打ちしてる。
3人でぱたぱた駆け寄って来ると、康二と蓮くんはキラキラの目で佐久間さんの手をきゅっと握った。
「「さっくん、やくそく、まもってね！！」」
「……うっ………ラジャ……」
「翔太、これはクリティカルだよ」
「こうでもしなきゃ阿部が危険じゃん」
「…あ、はは…」
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谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！あんまり楽しいお話ではない物が続いて申し訳ありません🥲今後のお話は楽しさだけでない物も多くなってきますので、御理解いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします🥺 (4月17日 0時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
まりそう - いつも楽しく読ませていただいてます。とっても癒されてます。更新されるお話を楽しみにしています。3家族のぼのぼのとしたにぎやかな楽しいあたたかいお話しがみたいです。 (4月14日 16時) (レス) id: 3b49c20ebb (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - Blueい。さん» コメントありがとうございます！平仮名ばかりで読みづらかったと思いますが、感動していただけて嬉しい限りです🥺✨今後もよろしくお願いいたします🥰 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - まりそうさん» コメントありがとうございます！お気に召していただけて何よりです🥰結婚式のお話は、構成上割と先になる予定です。お待たせして申し訳ありません💦御理解いただけますと幸いです🙏 (2月17日 6時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
Blueい。(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！蓮くんの逆サプライズが本当にいいお話すぎてコメントさせていただきました。小説を読んでて初めて泣きました…！笑 これからも応援してます！！ (2月16日 23時) (レス) @page28 id: 173db89271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2024年1月15日 10時
