タン！ロース！サーロイン！2*iw ページ50
「すき焼きお待たせしました〜」
「わぁ！うまそ！」
満を持して登場したすき焼きは、さすが館さんと阿部が作っただけある。
しゃぶしゃぶと焼肉でお腹が重くなってきたと感じてても、白米の欲しくなる甘辛い匂い。
ずっとキッチンにいたふたりが席へ着くと、ふっかがホットプレートから引き上げた肉をどんどんふたりの皿へ放り込む。
「ふたりともありがとね。たんとお食べ」
「ありがとうございます」
「あぅ〜ぶ！」
阿部とふっかに挟まれたラウはとてもご機嫌。
さすがに肉食べさせるわけにはいかないから離乳食だけど、ずっとニコニコしてる。かわいいよね。世界一かわいい俺の子。
「…改めて、今年もよろしく〜！」
満腹で寝てしまった子供たちを起こさないよう、静かにグラスを合わせた。
俺と佐久間は運転があるのでノンアルコール。阿部は烏龍茶。
思い出話や今後の事について語り合っていると、阿部がそっとグラスを置いた。
「…今更なんですけど、皆さん本当に…ありがとうございます」
「え？何が？」
「その…岩本さんが俺と康二を引き上げてくださって、佐久間さんがこうして家に置いてくださって。…宮舘さんと渡辺さんと深澤さんにも、すごく良くしていただいて…感謝してもし切れないです。康二も、毎日……楽しそうだし…ほんとに、…っ」
「……阿部ちゃん、」
阿部の言葉が途切れると同時に、そっと佐久間がその肩を抱きしめる。
俯いた阿部の頬に涙が伝うのを見て、俺たちも心臓の奥がギュッと苦しくなった。
耐えきれなかったのか、翔太はぽろぽろ涙を零しながら阿部の髪をやさしく撫でていた。
「…佐久間、」
「ん〜？」
すっきりと星がよく見える寒空。
ラウと康二をそれぞれ車に乗せてくると言ったふっかと阿部の背を見守りながら、コートのポケットに手を突っ込む佐久間に声をかける。
「…阿部と康二のこと、頼むな。元々は俺が引き取る予定だったけど、お前に預けて正解だったと思ってる。…たぶん、阿部もな」
「へへ。嬉しいこと言ってくれんね。まかせてよ」
ヘラッと笑った佐久間は、愛おしそうな目で阿部と康二の背を見つめた。
やさしい眼差しとは裏腹に、しっかりと芯の通った声が夜空に染み渡る。
「…絶対幸せにする。あんなやさしい子たち、幸せにならなくちゃダメだよ」
何故かその言葉がすごく嬉しくて、思わず泣きそうになる。
ぐっと堪えたのをごまかすように、一言だけ頷いた。
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谷森山(プロフ) - サクラサクさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてるようで何よりです😇❤️現在続編を制作中ですので、少々お待ちいただけますと幸いです！よろしくお願いいたします🥺✨ (1月14日 22時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
サクラサク(プロフ) - 初めまして 世界観に入り込んで泣きながら読みました。みんなが幸せになりますように！続きまってます。 (1月14日 1時) (レス) @page50 id: 8091bfce66 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！子供たちの幸せを願っていただき嬉しいです( ;ᯅ; )❤️つらいことも家族で一緒に乗り越えて、逞しくやさしい子に育ってくれるといいですよね( ¨̮ )♡ (12月21日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 良かった、、、、もう入り込みすぎて 子供たちに何かあったら、と心臓痛くなる毎日です(泣) あぁどうか幸せになりますように (12月20日 20時) (レス) @page35 id: af4e907359 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます！宮舘家を見守ってくださり嬉しいですˊᵕˋたっぷり愛情注いでくれると思いますので、今後もお付き合いくださると幸いです( ¨̮ )︎︎♡ (11月22日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2023年11月1日 1時
