その手のひらは魔法みたいに。2*sk ページ27
帰宅してすぐに寝室を覗くと、阿部ちゃんは毛布と分厚い布団を口元まで引っ張り上げながら眠っていた。
相変わらず顔は赤いし息は荒いし、こんなに布団被ってるのに寒そう。
少しでもあったかくなればいいなと思って、自分の着てたアウターを布団の上からそっと掛けた。
ちょうどお昼の時間だし、俺の昼食も済ませちゃお。
スーパーでついでに買ってきたお弁当。
蓋を外してレンジで温めてる間に、もう一度寝室を覗く。
やっぱり息苦しそうに眠ってるのが可哀想で、熱い額に自分の手のひらをそっと置いた。
そういえばさっき冷えピタ買ってきたわ。貼ってあげようかな。
「…ん、ぅ」
「あ、ごめん起こしちゃった？」
とろんとした目で俺を見上げる阿部ちゃん。
真っ赤な顔、荒い息遣い、蕩けそうな目…怒られそうだから言えないけど、色っぽくて喉が鳴っちゃう。
慌ててその思考をぶん殴って、やさしく額を撫でた。
「冷えピタ買ってきたけど、貼る？」
「…ん、ほしい…です、」
「ン゛ッッ……おっけい」
(…危ねぇ、襲いかかるところだった)
とっくに温め終わってた弁当をレンジから取り出して、さっき買ってきた冷えピタを1枚持って寝室へ戻る。
貼った瞬間はぎゅっと目を瞑っていたけど、冷たさが心地良いのか短く息を吐いていた。
まだまだ赤い顔、なかなか8℃から下がらない熱。
「…ちょっと頑張りすぎちゃったかなぁ？」
眠そうに瞬きする髪を撫でながら、最近のことをなんとなく思い出していた。
康二とゲームしながらテスト勉強頑張ってたり、トラウマ克服するために式場回ったり、スーパーで保母さんに遭遇したり。
心身ともに疲れが出てきてもおかしくない。
(…さらに言うと、俺が夜無理させちゃってる事もあるしね)
これは俺の心の内にだけ秘めておこう。内緒ね。
冷えピタのおかげか、すやすやと眠りについた阿部ちゃん。
起こす前に俺もお昼済ませよう。あらやだ温めたのに冷めてるわ。まぁいっか。
久しぶりに買ったハンバーグ弁当。
昔はこのスーパーのハンバーグが一番美味しいって思ってたなぁ。
(でもやっぱ、阿部ちゃんには勝てないんだわ)
もちろんスーパーのも美味しいんだけどね。
冷えて少し固くなったお弁当を食べて、もう一度寝室へ。
あんまり気にしすぎるのも良くないのかな、でも気になっちゃう。
…だって阿部ちゃんは、
「…ぅ、っ……ぅぅ、…」
ひとりでこうやって、泣いてる事があるから。
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谷森山(プロフ) - サクラサクさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてるようで何よりです😇❤️現在続編を制作中ですので、少々お待ちいただけますと幸いです！よろしくお願いいたします🥺✨ (1月14日 22時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
サクラサク(プロフ) - 初めまして 世界観に入り込んで泣きながら読みました。みんなが幸せになりますように！続きまってます。 (1月14日 1時) (レス) @page50 id: 8091bfce66 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！子供たちの幸せを願っていただき嬉しいです( ;ᯅ; )❤️つらいことも家族で一緒に乗り越えて、逞しくやさしい子に育ってくれるといいですよね( ¨̮ )♡ (12月21日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 良かった、、、、もう入り込みすぎて 子供たちに何かあったら、と心臓痛くなる毎日です(泣) あぁどうか幸せになりますように (12月20日 20時) (レス) @page35 id: af4e907359 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます！宮舘家を見守ってくださり嬉しいですˊᵕˋたっぷり愛情注いでくれると思いますので、今後もお付き合いくださると幸いです( ¨̮ )︎︎♡ (11月22日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2023年11月1日 1時
