栗ごはんのお弁当。3*sk ページ3
2軒目、3軒目と来て、阿部ちゃんはどんどん慣れてきた様子。
康二も最初は泣いて嫌がってたけど、阿部ちゃんに抱っこされながらチャペルに近づくうちに慣れてきたみたいだ。
4軒目にはふたりとも、ガーデニングを綺麗だと言う余裕が出て来ていた。
「…よし、お昼にしよ！」
近くに丘のある公園を見つけ、紅葉が綺麗だったので近くの駐車場に車を停めた。
風が騒ぐたび落ちてくる赤い葉を、康二はウキウキで追いかけてる。
「……ふぅ、」
ちいさく息を吐く声。
ずっと気を張っていたであろう阿部ちゃんが、ちょっぴりリラックスした声だ。
「だいじょぶ？」
「…はい、ありがとうございます」
レジャーシートが風に攫われないよう、ふたりで抑えながら落ち葉の上に敷いた。
康二はどんぐりを拾うのに夢中になり始め、飽きて帰ってくるまで阿部ちゃんのケアをしようと肩を抱く。
「…な、なんですか？」
「人の体温って落ち着かない？ぎゅーってしたいんだけど」
「したいんだけどって、佐久間さんの願望じゃないですか」
「にゃはっ、バレたぁ〜」
「…でも、少しだけ」
ちょっぴり頬を染めた阿部ちゃんが、俺の肩にコテンと頭を乗せてきた。
…は？可愛すぎませんか？
めちゃくちゃ押し倒したい衝動をぐっと堪えて、髪を撫でる。
「…ありがとうございます」
いまなら許される気がして、そっと唇を奪ってみた。
もちろん許されなくて平手打ちを食らった。
残すは涼太たちが式を挙げるところのみ。
調べたら真っ白なチャペルだったけど、大丈夫かな。
お弁当食べてルンルンな康二とは対照的に、俺たちにばかり食べさせて全然箸が進まなかった阿部ちゃん。
栗と芋何個かしか食べてないの、俺は見てたぞ。
車を走らせて40分、宮舘夫婦の結婚式場にたどり着いた。
眠そうな康二を抱き上げた阿部ちゃんは、恐る恐る門をくぐる。
真っ赤な花で包まれた花壇に真っ白なチャペルが、青い空によく映える。
「…っ、！」
「阿部ちゃん！」
一瞬にして青ざめた阿部ちゃんは、ガクリと膝から崩れ落ちた。
なんとか康二は落とさないように抱きしめたみたいだけど、これまでの比じゃないほど震えてる。
大粒の涙が溢れ、うまく息ができないのか過呼吸気味になっている。
「阿部ちゃん落ち着いて、ゆっくり息しよう」
…トラウマを乗り越えるって、やっぱりそんな簡単じゃない。
やさしく背中を擦りながら、寝てしまった康二も一緒に抱きしめた。
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谷森山(プロフ) - サクラサクさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてるようで何よりです😇❤️現在続編を制作中ですので、少々お待ちいただけますと幸いです！よろしくお願いいたします🥺✨ (1月14日 22時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
サクラサク(プロフ) - 初めまして 世界観に入り込んで泣きながら読みました。みんなが幸せになりますように！続きまってます。 (1月14日 1時) (レス) @page50 id: 8091bfce66 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！子供たちの幸せを願っていただき嬉しいです( ;ᯅ; )❤️つらいことも家族で一緒に乗り越えて、逞しくやさしい子に育ってくれるといいですよね( ¨̮ )♡ (12月21日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 良かった、、、、もう入り込みすぎて 子供たちに何かあったら、と心臓痛くなる毎日です(泣) あぁどうか幸せになりますように (12月20日 20時) (レス) @page35 id: af4e907359 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます！宮舘家を見守ってくださり嬉しいですˊᵕˋたっぷり愛情注いでくれると思いますので、今後もお付き合いくださると幸いです( ¨̮ )︎︎♡ (11月22日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2023年11月1日 1時
