ホットコーヒー、ミルク入れて！2*ab ページ11
家庭訪問当日、佐久間さんは朝からガチガチに緊張していた。
クローゼットからスーツを持ってきたので慌てて制止し、いつもの服でいいからと言うと、ミシッと音が鳴りそうなぐらいぎこちなく微笑んだ。
遊びたがる康二を宥めつつ、部屋の掃除機をかける。
先生が来るまで、あと30分ほど。
「あっ、お茶菓子とか用意してない！」
「あ、それ以前先生から聞いたんですけど、家庭訪問の際ってやっぱりお茶とかお菓子とかを出されることが多いみたいで、失礼がないよう口はつけるけど、本当はトイレに行きたくなるから気を遣わなくていいそうです」
「へぇ…でもコーヒーは用意してるよね？」
「さすがに礼儀として、なにも出さないわけには。佐久間さんはブラックですか？」
「…いえ、ミルクたぷたぷでお願いします」
「ふふ、かしこまりました」
さすがにラフすぎる格好は気が引けたのか、襟のついたシャツに袖を通す佐久間さん。
こういう気遣いができると、大人だなぁって感心する。
「さっくん！あそぼうや！」
「お！？遊ぶか！？おりゃあ〜！！」
「ひゃ〜！！」
大人だけどこうやって、康二と目線を合わせた遊び方ができるのも…佐久間さんのすごいところのひとつ。
楽しそうなふたりをしばらく眺めていると、インターホンが鳴らされた。
「ﾊｧｯｯ！！！」
「はーい」
わかりやすく息を飲んで硬直する佐久間さんを尻目に、玄関のドアを開ける。
少しだけ早くなっちゃった、と言いながら立つ先生を招き入れた。
「お邪魔します」
「い、いらっしゃいませ！？」
「…ふふ。先生、こないだお話した、佐久間さんです」
「あぁ！…はじめまして、阿部くんの担任を務めております。どうぞよろしくお願いいたします」
「アッアッごていねいに…！」
胸元から名刺を出した先生に、慌てふためく佐久間さんがちょっと面白い。
玄関先で立ち話もアレだったので、ふたりの背中を押してリビングへ向かった。
…わ〜、さっき片付けたのに康二がゲーム機引っ張り出してきてる〜。
「…康二、ゲームは後で」
「いやや！おさんぽ、いかへんのやろ？ほな、まりおやる！」
「こら、ちゃんと片付けるの」
「や！」
「阿部くん、気にしないから大丈夫だよ。やらせてあげて」
「…す、すみません…」
これからお話をする空間に、1UPとかコインの音が響くのはちょっとどうかと思ったけど。
これもいつもの光景ってことで許してもらおう。
(…コーヒー持って来よう)
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谷森山(プロフ) - サクラサクさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてるようで何よりです😇❤️現在続編を制作中ですので、少々お待ちいただけますと幸いです！よろしくお願いいたします🥺✨ (1月14日 22時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
サクラサク(プロフ) - 初めまして 世界観に入り込んで泣きながら読みました。みんなが幸せになりますように！続きまってます。 (1月14日 1時) (レス) @page50 id: 8091bfce66 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！子供たちの幸せを願っていただき嬉しいです( ;ᯅ; )❤️つらいことも家族で一緒に乗り越えて、逞しくやさしい子に育ってくれるといいですよね( ¨̮ )♡ (12月21日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 良かった、、、、もう入り込みすぎて 子供たちに何かあったら、と心臓痛くなる毎日です(泣) あぁどうか幸せになりますように (12月20日 20時) (レス) @page35 id: af4e907359 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます！宮舘家を見守ってくださり嬉しいですˊᵕˋたっぷり愛情注いでくれると思いますので、今後もお付き合いくださると幸いです( ¨̮ )︎︎♡ (11月22日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2023年11月1日 1時
