栗ごはんのお弁当。1*ab ページ1
「あべちゃん、みてみて〜！！」
いい天気だからと、康二を連れて散歩に出かけた佐久間さん。
俺はその間に家の掃除や料理の下ごしらえなどを終わらせた。
テンション高いまま、おやつの時間にちゃんと帰ってきたふたり。
「さっきオンボロ広場で拾ってきた！」
「…栗、ですか？」
「おれもめっちゃひろったで！もんぶらん、つくって！」
「えぇ！？いまからは無理だよ」
「いいにおいすんね。おやつ作ってくれたの？」
「はい、チョコチップマフィンを焼きました」
「まひん！まひんやって！」
「やったね康二！マヒンだ！」
「ふふっ…佐久間さんは言えるでしょ」
誰も寄り付かない広場だけど、勝手に拾ってきて良かったのかな？
ふたりから受け取った栗は立派なもので、棘を割ってみると大きな栗が見えた。
たくさんあるから色々使える…でもこの先の料理下ごしらえ終わっちゃってるから、組み込むの難しいな。
宮舘さんたちにおすそわけしてもいいかも。
(…宮舘さんたち、か…)
ふと思い出しては、これでいいのかと考えてしまう。
宮舘さんも渡辺さんも日頃から良くしてくれてるし、蓮くんは康二とたくさん遊んでくれてる。
そんなふたりの晴れ舞台…結婚式。
きちんと出席して、拍手を贈るのが礼儀だとは思う。
(…思う、けど)
康二はどうなんだろうか。
まだよちよち歩きだった頃の記憶は曖昧だろうけど、強いトラウマはふとした時に思い出すもの。
もし参列して、康二の傷口が開いてしまったらと考えたら…
「ま〜た難しいこと考えてる」
「わ！？」
手にした栗を眺めながら棒立ちになってたところ、後ろから抱きしめられた。
ピンクの髪が耳に当たってくすぐったい。
「…涼太たちのこと？ふたりともちゃんとわかってくれたから、心配しないで良いって」
「はい、それは……俺もわかってる、つもりなんですけど」
「わかった。康二のことだ」
佐久間さんはやさしく俺の肩を掴んで体を反転させると、少し屈んで目線を合わせた。
ちょっぴり不安そうに揺れた瞳が、俺を映してゆっくり細くなる。
「じゃあ、ドライブがてら式場行ってみる？」
「……え？」
「それでダメだったら諦めよ。大丈夫だったら、涼太たちにもっかい話して参列すればいい」
あれから結婚式場には一度も行ってない。
もしかしたら大丈夫かもなんて、思ってもみなかったから。
…でも佐久間さんが一緒なら、なぜか行ってみようと思えちゃう…不思議なひとだ。
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谷森山(プロフ) - サクラサクさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてるようで何よりです😇❤️現在続編を制作中ですので、少々お待ちいただけますと幸いです！よろしくお願いいたします🥺✨ (1月14日 22時) (
レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
サクラサク(プロフ) - 初めまして 世界観に入り込んで泣きながら読みました。みんなが幸せになりますように！続きまってます。 (1月14日 1時) (レス) @page50 id: 8091bfce66 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！子供たちの幸せを願っていただき嬉しいです( ;ᯅ; )❤️つらいことも家族で一緒に乗り越えて、逞しくやさしい子に育ってくれるといいですよね( ¨̮ )♡ (12月21日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 良かった、、、、もう入り込みすぎて 子供たちに何かあったら、と心臓痛くなる毎日です(泣) あぁどうか幸せになりますように (12月20日 20時) (レス) @page35 id: af4e907359 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます！宮舘家を見守ってくださり嬉しいですˊᵕˋたっぷり愛情注いでくれると思いますので、今後もお付き合いくださると幸いです( ¨̮ )︎︎♡ (11月22日 10時) (レス) id: 0b5df8b91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谷森山
| 作成日時：2023年11月1日 1時
