森の中*2 ページ7
玉森さんが旅を続けて一年。
小さく、古びた村にたどり着きました。
村人には玉森さんの噂も届いておらず、最初は余所者扱いでした。
そんな時神様のお声が降りてきて、その神々しい光景に村人たちはすっかり玉森さんを崇拝し始めたのです。
「それからしばらくは、その村に留まった。村の復興を手伝ったり、子ども達と遊んだり。…その村には、絶対に触れるなって言われてる古い神殿があって、出入り口は大きな岩で封鎖されてて、お札だらけだったんだ」
ふとひとりになった時、玉森さんはそっとその岩に触れてみました。
同時に神のお声が降りてきて、お札たちは玉森さんの額の紋章の光によってみるみるうちに剥がれて行ったのです。
「全部お札が剥がれた時、神殿は大きな光柱を立てて吹き飛んだ。…その中に、今にも死んでしまいそうな男の人が倒れてたんだ」
『大丈夫！？』
玉森さんは慌てて彼に駆け寄ります。
彼は小さく呼吸を繰り返すと、やがて玉森さんの瞳を見つめて弱々しく微笑みました。
『…なんでここに人が…？とにかく、急いで手当てしないと…！』
彼のｶｻｶｻになった唇を見て、玉森さんは慌てて水筒から水を飲ませてあげました。
少しずつ飲んでくれた彼にﾎｯとしていると、彼は小さく口を開きます。
『…っ、てた…』
『え？なに…』
彼の微笑みが、何故だかとても恐ろしい物に感じます。
玉森さんは思わず一歩後ずさると、彼は逃がさないとでも言うように手首を捕らえて来ました。
『…神様…やっと会えたね。…ず…っと、待ってた…』
『痛っ…！』
瀕死の状態とは思えないほど、彼の指は玉森さんの腕に深く食い込んでいきます。
そして、彼の体から…真っ黒な気配がどんどん立ち込めて行きました。
『ﾌﾌﾌ…やっぱり神様、誰にでも優しいね。…あぁ、神様じゃないか。神の預言者様？』
『あ、あんたは…っ』
『俺はね、君と同じだけど…君の逆。かつて悪魔と呼ばれた者の、生まれ変わりってやつ』
彼は真っ黒な気配を玉森さんに巻き付け、どんどん力を奪って行きます。
『ぅ、あ…っ！』
『…そう、名前は玉ちゃんって言うの。…俺は、宮田でいいよ』
彼…宮田さんは、ゆっくりと玉森さんの頬を撫でて、小さく微笑みました。
玉森さんは力を振り絞って、宮田さんの目の前に手を翳します。
『…？なに…』
『神よ！我が身に瞬きの力を…！』
玉森さんは神の力を借りて、その場から一瞬にして逃げ出したのです。
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桐山ななみ(プロフ) - こんにちは！とても面白いです！キスマイのファンの私にたまらなく好きです！特に悪役のみやっちにはもうドキドキが止まらなくハマり興奮しました笑最後どうなるか気になります！続きを待っております！ (10月3日 8時) (
レス) id: 034e0a3f60 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - すみません（汗）今気づいたのですが「もしもし、あなた」の作者さんなんですね？！私、「もしもし、あなた」が(ほかの作者さんには失礼ですが)占ツクの中で一番素晴らしい小説だと信じております！そちらの更新も楽しみにお待ちしております♪(´ε｀ ) (2017年1月8日 9時) (レス) id: c04f163397 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 千ちゃん（泣）涙が止まりません(←ガチです。)なんて優しいの？・・・作者様の文才に感動！素晴らしいですね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))更新頑張ってください(=ﾟωﾟ)ﾉ (2017年1月8日 8時) (レス) id: c04f163397 (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - こんばんは！設定にとても惹きつけられ夢中で読ませて頂きました。宮田くんには闇の部分を感じることがあったりしていたので、過去も含め魔王ミヤタから目が離せません。これからもとても楽しみにしています。 (2016年6月11日 20時) (レス) id: ecf182a48a (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - 七星さん» うふふ、宮玉要素はまだ焦らしますよ〜(笑)宮田さんはもう少し後に出てきますので、それまでどうなるのか予想してみてくださいね(*^o^*)笑 (2016年2月1日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
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