恋のﾀﾞﾝｼﾞｮﾝ脱け出して！

愛し友よ、憎しみは絶えん*4 ページ34

『みつ〜！』

『なに？よこーさん』

『みつ、てぇだして！』

『ん…？わ！なにこれ、きれい…』

『たいすけとみつけたんだ！きらきらひかる、まほうのいしだよ！』

『えっ、お…おれがもらっていいの？』

『うん、みつに…もらってほしい。たいすけには、ないしょだよ』

『わかった。ありがとう！』




『わたる、ちょっときいてくれる？』

『うん、いいよ』

『おれ、きたやまのこと…ほんきなんだ』

『……えっ…』

『だから、こないだのいし、きたやまにあげたい。…わたるがよければ、あのいし…ちょうだい？』

『………』

『…わたる？』

『……あ、の…いし、は……』





もう、みつに渡してしまったーーー。




『ごめん…なくしちゃって……おれのこと、なぐってよ…』







『渉、ちょっと聞いてくれる？』

『…うん、いいよ』

『俺、北山に…告白しようと思ってるんだ』




ーーーああ、やっぱり。





『そう。応援するよ』






ーーーこのひとは、




『ありがと！がんばって来るわ！』









いつも無邪気に、俺を切り裂いていくーーー。









『ｸﾞｫｵｵｵｯ！』

『うわぁああっ！』

『北山っ！』

『みつっ！』




ーーだからきっと、




『太輔！はやくみんなを安全な場所へ！』

『わかった！北山、はやく！』



『よこーさ…っ、よこーさん…っ！』









“ｵﾚｶﾞ ｼﾞｬﾏ ﾅﾝﾀﾞﾛ？”







『ｸﾞｫｵｵｵｯ…』

『……くそ、っ』



これだけ血を流して戦っても、




『…俺は、…っ』





口にすることすら、許されない。









『みつ、っ…！』







太輔より、

太輔なんかより、


俺の方がずっとーーー








『ｸﾞｫｵｵｵｯ！！！』

『ーーーっ！！』









ーー好きだ。









“ｼﾞｬﾏ ﾅﾗﾊﾞ、ｹｾﾊﾞ ｲｲ”




『ｷｬﾝｯｷｬﾝｯ！…ｸｩｳ〜ﾝ…』


『よこーさん、だね？』

『…だ、誰っ』


『はじめまして、宮田だよ。突然だけど…殺したい奴はいるかい？』








“…渉、”




……太輔、俺はーーーー









“ちょっと聞いてくれる？”






もうお前の話は聞きたくないーーーー









『…殺したい、わけじゃ……っない、のに…』

『……いや、心は嘘をつけないみたいだよ？』






“…よこーさん、藤ヶ谷の背中押してくれたんだってな？……ありがとね”







『……ｯｯ憎い…！！！』







『…そう。なら、強い力が必要だね？』









*

友であるということ*1→←愛し友よ、憎しみは絶えん*3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す