選択の街*4 ページ13
一方藤ヶ谷さんは、暗い通路を渡って不気味な窓口へ連れてこられました。
「こちらにご記入をお願いいたします」
「え、あ…あの、なんの…」
窓口から渡された一枚の紙。
名前や生年月日など、個人情報を書く紙でした。
藤ヶ谷さんはいよいよ眉根を寄せました。
「…説明してもらわないと、記入できないんですけど」
「説明…ですか、お待ちを」
案内してきたｳｪｲﾄﾚｽはﾎﾟｹｯﾄからｽﾏｰﾄﾌｫﾝを取り出すと、何やら画面を操作して藤ヶ谷さんに見せます。
「…っ北山！」
画面に映し出されたのは、手足を縛られて力無く床に横たわる、北山さんの姿。
ｳｪｲﾄﾚｽは表情ひとつ変えず、ｽﾏｰﾄﾌｫﾝの画面を暗くしました。
藤ヶ谷さんは訳が分からず、ｳｪｲﾄﾚｽを睨みつけます。
「…どういうことだ…っ」
「お客様、当宿屋がどうしてこの金額でこの提供ができるか、おわかりでしょうか？」
「えっ…」
「当店では、お客様に最高のおもてなしを心がけております。最高のお料理、最高のお部屋、最高の浴室。…お客様が召し上がられた、卵かけご飯。これはとあるﾗﾝｷﾝｸﾞで見事一位に輝いた料理です、ご存知ですか？」
淡々と続けるｳｪｲﾄﾚｽ。
機械的なその態度に、藤ヶ谷さんはちいさく首を振りました。
「…答えは“人生最後の晩餐にするなら？”です」
嫌な予感がした藤ヶ谷さんは、無意識に喉を鳴らします。
そんな予感を知ってか知らずか、ｳｪｲﾄﾚｽは尚も淡々と続けました。
「当店は、お客様に最高の“最期”を提供する場所。…もちろん見合った金額をお支払いいただけるのなら、皆様をすぐに解放いたします」
「見合った金額って…風呂とか、部屋とかの妥当金額ってこと？」
「ええ、ここは選択の街。お客様に選んでいただく街です」
話しながら、電卓を弾くｳｪｲﾄﾚｽ。
見せられた金額は、一生かけても払えないような額でした。
「…もちろん、必ず最期をお迎えするわけではありません。この紙にご記入いただくと、自動的に闘技場へｴﾝﾄﾘｰされます。試合に勝てば、お客様のお望みとともに当店から出る事ができます」
「闘技場…」
背負った剣が、やたらと重く感じます。
藤ヶ谷さんは剣士ですが、あまり闘い慣れていないのです。
危険を感じると、いつも北山さんや横尾さんが守ってくれたのです。
(…北山、今度は俺が助けるから…！)
強く決意を固めると、藤ヶ谷さんは紙にﾍﾟﾝを走らせました。
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桐山ななみ(プロフ) - こんにちは！とても面白いです！キスマイのファンの私にたまらなく好きです！特に悪役のみやっちにはもうドキドキが止まらなくハマり興奮しました笑最後どうなるか気になります！続きを待っております！ (10月3日 8時) (
レス) id: 034e0a3f60 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - すみません（汗）今気づいたのですが「もしもし、あなた」の作者さんなんですね？！私、「もしもし、あなた」が(ほかの作者さんには失礼ですが)占ツクの中で一番素晴らしい小説だと信じております！そちらの更新も楽しみにお待ちしております♪(´ε｀ ) (2017年1月8日 9時) (レス) id: c04f163397 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 千ちゃん（泣）涙が止まりません(←ガチです。)なんて優しいの？・・・作者様の文才に感動！素晴らしいですね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))更新頑張ってください(=ﾟωﾟ)ﾉ (2017年1月8日 8時) (レス) id: c04f163397 (このIDを非表示/違反報告)
キスマイ(プロフ) - こんばんは！設定にとても惹きつけられ夢中で読ませて頂きました。宮田くんには闇の部分を感じることがあったりしていたので、過去も含め魔王ミヤタから目が離せません。これからもとても楽しみにしています。 (2016年6月11日 20時) (レス) id: ecf182a48a (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - 七星さん» うふふ、宮玉要素はまだ焦らしますよ〜(笑)宮田さんはもう少し後に出てきますので、それまでどうなるのか予想してみてくださいね(*^o^*)笑 (2016年2月1日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
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