あにまる日誌二冊目！

こわいひと8*H ページ32

「で、この子たちはどうするの？」


横尾さんが子犬ふたりを撫でながら藤ヶ谷を見つめた。


「ちょうど一人暮らしじゃ味気なかったし、俺と北山が預かるよ。さすがにふたり一緒には連れていけないけど…」

「ん、俺はﾎﾟｯｷｰ預かるわ」


ﾊﾟﾋﾟﾖﾝ…もといﾎﾟｯｷｰを抱き上げると、藤ヶ谷に抱き上げられたﾄｲﾌﾟｰﾄﾞﾙは悲しそうな顔をした。


『やだ〜！ﾎﾟｯｷｰ、いっしょがいい〜！』

「わ、ちょ…も〜。ﾍﾞﾙちゃんっ」


ﾄｲﾌﾟｰﾄﾞﾙ…もといﾃｨﾝｶｰﾍﾞﾙちゃんはﾊﾞﾀﾊﾞﾀと暴れ出す。

ずっとふたり一緒だったから、離れ離れは嫌なんだろうな。

ﾎﾟｯｷｰも悲しそうに俺を見上げた。


『ひろみつ、ﾍﾞﾙちゃんといっしょがいい…』

「ん〜…そうしてあげたいんだけど…」

『ﾎﾟｯｷｰ！うわぁあんっ！たいちゃん、ひろくんと、いっしょのおうちならいいのに〜！！』

「…そうだね。北山、一緒に暮らそうか」

「まぁそれがﾍﾞｽﾄ………え！？」


ｽﾗｯと爆弾落とされた。

腕から抜け出したﾍﾞﾙとﾎﾟｯｷｰは抱き合ってて、確かにふたりを引き離すのはかわいそう。


「…俺のﾏﾝｼｮﾝ、無駄に3DKなんだけどさ。部屋ひとつしか使ってないから…」

「えっ、でも…」

「ひとつはこの子たちの部屋にして、もうひとつは…北山用。……だめかな？」


不安そうに首を傾げる藤ヶ谷。

…あぁもう、そんな顔されたら…断れないじゃんか！


(…惚れた弱味かな…)


『なになに、ひろみつ、たいちゃんとくらすの！？』

『いいなぁ！…お、おれもいつか…きたやまと…っ』

『びぇえええん！みやたのばかぁあ！！』

「痛い痛い！鼻はやめて！」

「…ふふ。賑やかになるね」


優しく微笑む横尾さんの隣で、藤ヶ谷は嬉しそうに笑う。

恥ずかしくて頭をかきむしってたら、その手を取られた。


「…離れてた時間、感じさせないくらい…好きになってもらうから…」



覚悟してね？



耳元で囁いた藤ヶ谷の声で、顔に熱が溜まっていく。

色気のある声と裏腹に、藤ヶ谷は歯を見せて幼く笑う。


…くっそ！




「…ほんっとお前……こわいひとっ！」





***


初めてあにまるでがっつり藤北さん書いた気がします。


一応人型藤北さんはこれでﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞです。

ﾊﾞｲﾄ時代はあえて伏せておきます。


どうでもいいけど不思議だって打ったら一発変換で藤北って出るこの携帯どうにかなりませんか(※自分のせい)



20151125 谷森山

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