あにまる日誌二冊目！

秋です！1*S ページ11

「突然ですがここで、いきなり千賀ｸｲｽﾞ！秋といえば！はい横尾さん！」

「え、読書？」

「ﾌﾞｰ！はい宮田！」

「はい！食欲！」

「ﾌﾞｰ！はいﾆｶ！」

「わかった！運動会！」

「ちっがぁあう！」


皆さん、秋ですね。

色んなものが盛んな秋。

涼しくなってきて、外に出やすくなるこの季節といえば。


「正解は、紅葉です！」



久しぶりに四人がそろった。

宏光は今日お休みで、夜勤は違うひとが担当するらしい。

動物園の方は別で飼育員さんが居るから、俺たちは保護施設の方を任された。


「久しぶりに四人そろったんだし、紅葉狩りに行こうよ！」


任されたといっても、今日は預けられた動物も居ない。

久しぶりのﾒﾝﾊﾞｰで、俺たちは少しだけ舞い上がっていた。

…あ、べつに宏光が苦手とかじゃないからね！？



「がやさんおはよ。秋だね」

『おはよ。…どくしょのあき？』

「たまおはよ。秋だよ」

『がっちゃんおはよ。おしゃれのあき？』

「みつおはよ。食欲の秋だよ」

『おれがこたえるまえに…！！』


みつたちを起こしてから、出かける支度をする。

ここの保護施設はぶっちゃけあまり預けられる事はない。

やっぱり動物園と一緒になってる所って…躾とか厳しいかもって偏見してる人が多いみたい。

今日も預けてくるひとは居なくて、受付のひとに軽く話して横尾さんと車を取りに行く。

ﾆｶと宮田にみつたちの準備を任せてあるから、車を運んで来たときにはもう玄関前にｹﾞｰｼﾞが並んでいた。

車を寄せてもなかなか来ないﾆｶと宮田。

ｹﾞｰｼﾞの中ではみつたちがｷｮﾛｷｮﾛしてる。


「ﾆｶと宮田は？」

『うけつけのひとによばれてる』

「えっ」

「ごめんお待たせ〜！」


三人のｹﾞｰｼﾞを抱えて待ってると、ぱたぱたと宮田が駆けてきた。


「お、宮田。どうした？」

「うん、ひとり預けられて…」

「わったー！千賀ー！」


遅れてやってきたﾆｶの手には、ﾘｰﾄﾞが握られている。


「ふふ。ねぇ、連れてってあげよ！」


にこやかなﾆｶの後ろから、ﾘｰﾄﾞを引かれて駆けてきたその子。

見覚えのある顔に、真っ先に反応したのはたまだった。


『あ！じゃっく！』

『ｼﾞｬｯｷｰだ』

「ふふっ、もちろん一緒に行こう」

『じゃっく、ぎゅうにゅうのめるようになった？』

『…おかげさまでな』


以前施設に預けられたﾄﾞｰﾍﾞﾙﾏﾝのｼﾞｬｯｷｰ。

もちろん大歓迎で、四人の動物と一緒に車へ乗り込んだ。

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