第２２９話 ページ47
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「っ…兄さっ……！」
「おお？！ほらほら､泣くなよぉ！俺ァ大丈夫だから！」
えぐえぐと泣きじゃくる私を､サッチ兄さんは背中を擦って慰めてくれた｡
「ちょっとサッチ隊長！何Aの事泣かせてんのよ！」
「クソサッチ！」
「なんだ､面白いことしてんなァ！俺も混ぜろ！」
「クソって言った奴誰だァ！」
バンッ！！と勢いよく扉が開かれたと思ったら､次々と兄さんや姉さんが入ってきた｡
「ったく､あんたが元気なかったら､ご飯が美味しくないっての！」
リゼ姉さんはサッチ兄さんの背中をバシバシ叩きながら､私の隣に座ってきた｡
きっと察しているんだろう｡
私達が何を話していたのか｡
だからなのか､誰も私達の話していたことを聞きに来なかった｡
サッチ兄さんの方を見ると､兄さん達に揉みくちゃにされながら笑っていた｡
隈が目立って顔色が良くないが､それでもいつものサッチ兄さんの笑顔だった｡
ほっとした瞬間､またポロポロと涙が溢れてくる｡
「ふえぇぇぇ！！」
「ほらA！泣かないの！」
「うっ…うんっ……！」
リゼ姉さんに涙を拭かれ､やっと涙が止まる｡
キョロッと辺りを見渡すと､マルコ兄さんがいなかった｡
「ああ､マルコ隊長？あの人､ロゼルにベッタリよ｡」
「リゼ､逆だってそれ｡」
「間違った｡ロゼルがマルコ隊長にベッタリで､動けないのよあの人｡」
「なるほど｡」
安易に想像できてしまって､少し笑う｡
ポンッ！！
妙な音がして､振り返ってみると､花が咲いていた｡
「あっ咲いた？！」
「リゼ姉さん､あの花は？」
「ああ､シャボンディにつく前にある島に寄ったんだけど､綺麗な花が咲いていたから､その種を貰ったの｡」
この船男ばかりだからさ､なんか花がないとつまんないって！けど､なかなか咲かなくて困ってたのよ｡と教えてくれた｡
「あの花､名前なんだったかしら？」
「……鈴蘭｡花言葉は､幸福が訪れると純粋｡昔､本で見たわ｡」
あの頃は､本を読むしか能がなかったから､よく花の本を読んでいた｡
「Aが笑ったから､咲いたんだな！」
サッチ兄さんが言う｡
そうなのかな｡そうだといいな｡
儚く咲く鈴蘭に､私は少し微笑んでみせた｡
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リツ(プロフ) - oumim4isさん» コメントありがとうございます！受験勉強も更新も頑張ります！！ (2018年5月20日 15時) (
レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
oumim4is(プロフ) - 初コメントですが、無理をなさらずに、受験勉強と更新を頑張って下さい。 (2018年5月20日 12時) (レス) id: 22de3e31e2 (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - ﾚﾐさん» ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2018年4月3日 9時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
ﾚﾐ(プロフ) - 面白いです！応援してます！頑張ってください(^∇^)！ (2018年4月3日 2時) (レス) id: 1bc108194c (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - 苺大福さん» コメントありがとうございます！この小説を見ていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年3月28日 18時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リツ x他1人 | 作成日時：2018年3月25日 20時
