第２１２話 ページ30
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「鎮静剤持ってこい！！」
「何人でもいい！！押さえつけろ！！」
暴れるAを何人ものクルーで押さえつける｡
こんな状況で言うのもなんだが､さすが鬼人｡
屈強な男たちをいとも簡単に吹っ飛ばしていく｡
瞳孔は開き､鬼人化した状態で､自身を傷つけようとする｡
「ちゃんと押さえてて！！速効性の鎮静剤を打つわ！」
Aの腕に､プツリと針が刺さる｡
次第とAの動きが遅くなっていき､糸が切れたように倒れた｡
俺は眠るAを抱える｡
「とりあえず､Aの部屋に連れていくよい｡ここは刃物やら多いからねい｡」
「分かったわ｡よろしくね､マルコ｡」
夕陽が海に沈むような美しい景色｡
窓から射し込む､その夕陽の光に照らされながら､Aは眠っていた｡
「…目ェ､腫れてんな…」
幼き日の､Aを思い出す｡
確か最初も､あんな風に暴れたな｡
少し腫れた目を優しく撫でる｡
何度も傷つき､何度も泣いた｡
この子は､どれだけ嘆けばいいのだろうか｡
やっと笑顔を取り戻せたところなのに｡
何かを得れば､何かを失うってか｡
「なんとも…皮肉な話しだよい｡」
闇を抱えて生まれた少女は､光を得ることはできないのか？
彼女が､自分が闇だと嘆くのなら､俺は…いや､俺たちは光になろうと
彼女の歩む
「何も…できなかった｡」
あの時､体が動かなかった｡
久しく感じていなかった「恐怖」｡
今でも思い出せば､身震いをしてしまう｡
鬼人は…Aはあんなのと闘わなくてはいけないのか｡
「お前は強いよ…」
誰よりも､人の痛みを知ってる｡
誰よりも､泣き方を知ってる｡
誰よりも､笑い方を知ってる｡
誰よりも､愛を知ってる｡
誰よりも───
「本当の別れを知ってる｡」
だからこそ､誰よりも脆い｡
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リツ(プロフ) - oumim4isさん» コメントありがとうございます！受験勉強も更新も頑張ります！！ (2018年5月20日 15時) (
レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
oumim4is(プロフ) - 初コメントですが、無理をなさらずに、受験勉強と更新を頑張って下さい。 (2018年5月20日 12時) (レス) id: 22de3e31e2 (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - ﾚﾐさん» ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2018年4月3日 9時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
ﾚﾐ(プロフ) - 面白いです！応援してます！頑張ってください(^∇^)！ (2018年4月3日 2時) (レス) id: 1bc108194c (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - 苺大福さん» コメントありがとうございます！この小説を見ていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年3月28日 18時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リツ x他1人 | 作成日時：2018年3月25日 20時
