第１８３話 ページ45
.
「でも鬼人って死なないんじゃ…」
「さっきも言ったが､我々は魂を取られてしまえば､死んでしまう｡悪魔はその術を持っているのだ｡我の魂も､半分取られた｡」
マザーは胸の辺りに手を置いた｡
「今から500年前､悪魔との戦争が起こった｡その時に､我の愛しの子達も沢山死んだ｡」
マザーは私達に歩み寄り､頭を撫でてきた｡
「もう失わないためにも､我も頑張らなければならない｡貴様ら鬼人も､力をつけてもらわねばならないのだ｡分かってくれ…」
マザーの優しさに､思いに､私は気づけば涙を流していた｡
そんな私をマザーは抱き締めてきた｡
「私､頑張りますっ…」
「……俺も｡」
「ありがとう､我が愛しの子達よ｡」
「あっ紋様が！」
私の左手の甲にはウロボロスのマークが｡
エトには右肩に｡
「本物の鬼人になれた証拠だわ｡」
ミカエルさんは私の頭を撫でて言う｡
「もうお別れなんて寂しいなあ｡」
「もっとかァいい二人とお話したかった！」
「わがまま言うな二人とも｡会おうと思えば会えるだろ｡」
三人のやり取りに､笑ってしまう｡
「A､エトワール､元気でね｡」
「お世話になりました！」
エトは何故か､さっきからキョロキョロと辺りを見渡していた｡
「エト？」
「なあ､ケルは？」
そういえば､先ほどからケルちゃんの姿が見えない｡
何処に行ったの？！
「ああ、ケルベロスは元々冥界の生き物だから､ここに留まってもらうの｡本来なら､もう少し成長してから人間界に行けるんだけど､あの子好奇心旺盛だから…
だから､ケルベロスがちゃんと成長したら､人間界に送るわ｡」
永遠の別れではないにせよ､やはり寂しいもの｡
そうですかと言って､また歩き出そうとすると､後ろから鳴き声が｡
「ケルちゃん！！」
「アォン！！」
ぎゅっと抱きしめ､ケルちゃんの顔を見る｡
「クゥウン」
「また会えるよ｡大丈夫！」
ケルちゃんをウリエルさんに渡し､人間界につづく扉を開ける｡
「「お世話になりました！」」
「気をつけてね！！」
そうして､私達は元の世界へ帰っていった｡
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 265人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リツ(プロフ) - 酒恋女さん» そんなにですか！！ご愛読ありがとうございます！この小説を読んでくれるってだけで嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年3月22日 7時) (
レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
酒恋女 - リツさん！！！！！！！すっごく感動しました！！！！もう"ひまわりな君へ"を読むとき、片手からティッシュが離れませんでした！！！！！！！これからも更新を楽しみにしています！アンとえと！！！！頑張れ！！！！ (2018年3月22日 0時) (レス) id: 39f73519ea (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - 三村友里亜さん» 嬉しいお言葉！励みになります！ありがとうございます､頑張ります！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
三村友里亜(プロフ) - 毎回楽しんで読ませてもらってます！これからも頑張ってください！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: c7ded62622 (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - miチョコさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年2月22日 7時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リツ | 作成日時：2018年1月13日 23時
